厳選!2歳馬情報局(2022年版)
第23回:ディンディンドン

 2017年のGIヴィクトリアマイル(東京・芝1600m)を制したアドマイヤリード(牝/父ステイゴールド)の半弟が、まもなくデビューする。栗東トレセンの杉山晴紀厩舎に所属するディンディンドン(牡2歳/父ドゥラメンテ)だ。

 母はアイルランド生まれのベルアリュールII。フランス、アメリカで活躍した同馬が日本で繁殖牝馬となって、2013年に生んだのが先に触れたアドマイヤリード。彼女は3歳牝馬クラシックにも出走し、GI桜花賞(阪神・芝1600m)では5着と健闘した。

 その後、GIオークス(東京・芝2400m)は15着、GI秋華賞(京都・芝2000m)には出走できなかったものの、条件戦で奮闘。着実に力をつけていって、4歳春にGII阪神牝馬S(阪神・芝1600m)で2着と好走した。

 そして、迎えたヴィクトリアマイル。6番人気と伏兵の1頭にすぎなかったが、鞍上のクリストフ・ルメール騎手に導かれて、リズムよくレースを運んだ。後方のインコースを追走し、直線では馬群のわずかな隙を縫って追い上げていく。残り200m過ぎに先頭に立つと、そのまま押しきって戴冠を果たした。


ディンディンドンの姉、アドマイヤリード

 アドマイヤリードの他にも、2019年生まれのベルクレスタ(牝3歳/父ドゥラメンテ)が重賞戦線で活躍中だ。今年春の3歳牝馬クラシックでは結果を残せなかったが、GIIIアルテミスS(東京・芝1600m)で2着、GIIIクイーンC(東京・芝1600m)では3着と善戦している。

 このベルクレスタのひとつ下の全弟となるのが、ディンディンドン。陣営の評価はどれほどのものなのか、関西競馬専門紙のトラックマンが厩舎スタッフに話を聞いた。

「ディンディンドンは500kgほどの馬体重で、スタッフは『速い調教をすると、背中の感触がいい』と話していました。『動きも追うごとによくなっている』とのことです。父ドゥラメンテの産駒は気の強い馬が多いのですが、『この馬はカッカしていないのがいい』といったコメントも聞かれました」

 また、この馬の強みについて、スタッフはこう話しているという。先述のトラックマンが続ける。

「スタッフによれば、『少し硬いけど、かなりのパワーがありそう』とのこと。そのため、『現状ではダート色が強い』と考えているようです。実際、デビュー戦は11月5日の2歳新馬(阪神・ダート1800m)を予定しています」

 GI馬アドマイヤリードを姉に持つディンディンドン。初陣でどんな走りを見せてくれるのか、注目したい。