長い模索の末にたどり着いた“進化系4−2−3−1”は最適解の1つか? より高度な多様性や柔軟性に期待
[キリンチャレンジカップ]日本2−0アメリカ/9月23日/デュッセルドルフ・アレーナ
今冬のカタール・ワールドカップ、グループステージ初戦のドイツ戦までちょうど2か月というタイミングで行なわれた、9月23日のアメリカ戦。日本は昨年10月の最終予選・サウジアラビア戦以来の4−2−3−1で挑み、2−0の勝利という好結果を出した。
試合序盤、久保建英(R・ソシエダ)と中山雄太(ハダースフィールド)の陣取る左サイドを、相手右SBのセルジーノ・デストにぶち抜かれ、ヘスス・フェレイラに打点の高いヘッドをお見舞いされるというピンチを招く。だが、その後からは連動性の高いプレスが見られるようになる。
1トップに入った前田大然(セルティック)がスイッチを入れ、トップ下の鎌田大地(フランクフルト)が呼応。伊東純也(S・ランス)と久保の両ワイドも相手SBにしっかりとプレッシャーをかけ、さらに守田英正(スポルティング)と遠藤航(シュツットガルト)がフォロー。奪って縦に速く攻めるといったスムーズな展開が随所に見られた。
遠藤と守田は約1年半ぶりのコンビだったが、良い距離感をキープし、チーム全体に安定感をもたらした。それも円滑なゲーム運びにつながっていたと言っていい。
「高い位置でボールを奪ってショートカウンター」というW杯仕様の戦いを実践すべく、1つ象徴的だったのが、13分の鎌田の決定機だ。前田が相手DFウォーカー・ジマーマンに寄せていき、久保がカット。自ら持ち上がって鎌田にラストパスを送るというのは、見本のような形。
これを決められなかったのは悔しい限りだが、左という不慣れな位置に入った久保がここまで守備で貢献するのは、1つの発見だ。「ああいう(守備的な)展開になっても駒の1つとして使えるよってところを監督にアピールできたのはすごく良かった」と本人も自信をのぞかせた。
森保ジャパンは2018年9月のコスタリカ戦で発足した時から4−2−3−1をベースにしていたが、当時や最終予選で採用していた時と、今回はその意味が全く違う。それは久保も指摘していた点だ。
「監督からの指示で『相手サイドバックを釘付けにする』って話からスタートした。最初、ちょっとうまくいかないところがあったけど、回り出してから相手も来れなくなった。前の4−2−3−1とはだいぶ違う印象だし、派生しているものが違う。すごく良いかなと思います」
確かに、以前の4−2−3−1は「自分たちがボールを保持し、アクションを起こして戦う」という考え方が根強かったが、今は「ドイツやスペイン相手に保持された状況で、いかにして守備で主導権を取るか」という方向性にシフトしているように映る。
実際、アメリカ戦も日本が圧倒して勝ったように見えるかもしれないが、ボール支配率は4対6で下回っているのだ。
試合前日に長友佑都(FC東京)が「相手が来るってことですよね。僕らも行きたい部分はもちろんあるけど、ドイツに対してイタリアやイングランドが行っても簡単に剥がされて、前に持ち運ばれたりしている。そこは頭に入れつつ、時間帯やシチュエーションを考えながら、前から行くべきなのか、ブロック作って守ってショートカウンターに行くのかって部分の共通認識を持っておかなきゃいけない」と話していたが、アメリカ戦では相手に握られた状態でも試合をコントロールできたのは、前向きなポイントと言っていい。
こうしたサッカーで勝とうとするなら、大迫勇也(神戸)のようなターゲットマンに頼らなくてもいい。先発した前田の“鬼プレス”は本番でも大いに効果がありそうだし、古橋亨梧(セルティック)も似たような仕事ができるだろう。
今冬のカタール・ワールドカップ、グループステージ初戦のドイツ戦までちょうど2か月というタイミングで行なわれた、9月23日のアメリカ戦。日本は昨年10月の最終予選・サウジアラビア戦以来の4−2−3−1で挑み、2−0の勝利という好結果を出した。
試合序盤、久保建英(R・ソシエダ)と中山雄太(ハダースフィールド)の陣取る左サイドを、相手右SBのセルジーノ・デストにぶち抜かれ、ヘスス・フェレイラに打点の高いヘッドをお見舞いされるというピンチを招く。だが、その後からは連動性の高いプレスが見られるようになる。
遠藤と守田は約1年半ぶりのコンビだったが、良い距離感をキープし、チーム全体に安定感をもたらした。それも円滑なゲーム運びにつながっていたと言っていい。
「高い位置でボールを奪ってショートカウンター」というW杯仕様の戦いを実践すべく、1つ象徴的だったのが、13分の鎌田の決定機だ。前田が相手DFウォーカー・ジマーマンに寄せていき、久保がカット。自ら持ち上がって鎌田にラストパスを送るというのは、見本のような形。
これを決められなかったのは悔しい限りだが、左という不慣れな位置に入った久保がここまで守備で貢献するのは、1つの発見だ。「ああいう(守備的な)展開になっても駒の1つとして使えるよってところを監督にアピールできたのはすごく良かった」と本人も自信をのぞかせた。
森保ジャパンは2018年9月のコスタリカ戦で発足した時から4−2−3−1をベースにしていたが、当時や最終予選で採用していた時と、今回はその意味が全く違う。それは久保も指摘していた点だ。
「監督からの指示で『相手サイドバックを釘付けにする』って話からスタートした。最初、ちょっとうまくいかないところがあったけど、回り出してから相手も来れなくなった。前の4−2−3−1とはだいぶ違う印象だし、派生しているものが違う。すごく良いかなと思います」
確かに、以前の4−2−3−1は「自分たちがボールを保持し、アクションを起こして戦う」という考え方が根強かったが、今は「ドイツやスペイン相手に保持された状況で、いかにして守備で主導権を取るか」という方向性にシフトしているように映る。
実際、アメリカ戦も日本が圧倒して勝ったように見えるかもしれないが、ボール支配率は4対6で下回っているのだ。
試合前日に長友佑都(FC東京)が「相手が来るってことですよね。僕らも行きたい部分はもちろんあるけど、ドイツに対してイタリアやイングランドが行っても簡単に剥がされて、前に持ち運ばれたりしている。そこは頭に入れつつ、時間帯やシチュエーションを考えながら、前から行くべきなのか、ブロック作って守ってショートカウンターに行くのかって部分の共通認識を持っておかなきゃいけない」と話していたが、アメリカ戦では相手に握られた状態でも試合をコントロールできたのは、前向きなポイントと言っていい。
こうしたサッカーで勝とうとするなら、大迫勇也(神戸)のようなターゲットマンに頼らなくてもいい。先発した前田の“鬼プレス”は本番でも大いに効果がありそうだし、古橋亨梧(セルティック)も似たような仕事ができるだろう。