崎陽軒(横浜市)が生み出した横浜名物「シウマイ弁当」。新幹線に乗るときに食べたくなる人も少なくないだろう。

そんな「シウマイ弁当」は、駅や店舗で購入できるだけでなく、配達もしてもらえることをご存じだろうか。

配達可能なのは、「神奈川エリア」と「東京エリア」。ただ、その詳細を見てみると不思議な部分があって......。

こちらは崎陽軒のお弁当配達用のウェブサイトに掲載されている「神奈川エリア」の地図だ。

神奈川県民ならピンときたかもしれない。「神奈川県」の地図とは形が違うのだ。

問題は地図上部。なんと東京都の町田市、さらには大田区まで盛り込まれている!

町田市は......まあいい。しかし23区の1つを担う大田区まで「神奈川エリア」に入れ込んでしまうなんて......。

一体、なぜなのか。2022年6月15日、Jタウンネット記者は崎陽軒マーケティング部の広報担当者を取材。町田市と大田区が神奈川エリアに組み込まれている理由を聞いた。

かつては東京エリアだったけど......

広報担当者によると、配送エリアの振り分けでキーポイントとなるのが工場の場所。神奈川エリアには横浜市都筑区にある横浜工場から、東京エリアには江東区にある東京工場から弁当が配達されるという。

町田市崎陽軒の店舗が2店舗あり、どちらも横浜工場から供給しています。お弁当の配達もそれに合わせて神奈川エリアとなっています」(崎陽軒マーケティング部の広報担当者)

大田区も横浜工場からの配送となるが、立地的には東京工場も近い。わざわざ横浜工場からの配送にする必要もなさそうだが......。

「大田区も5年ほど前までは東京エリアの配達でした。ただ、詳しい理由はわからないのですが、その後配送エリアの改定があり、神奈川エリアに変わりました」(崎陽軒マーケティング部の広報担当者)

なお、「東京エリア」には町田市・大田区、そして島しょ部を除いた都内のすべての市区町村と、埼玉県と千葉県の一部が含まれている。

ちなみに横浜工場と東京工場のシウマイ弁当には一目でわかる違いがある。横浜で作られるものには紐がついていて、東京で作られるものは紐無しなのだ。配達サイト上の商品写真も、神奈川エリア版と東京エリア版で別のものが使われている。

横浜生まれ・横浜育ちの編集部員I記者とF記者にこの紐について聞いてみると、「紐無しなんてあるんですね」「紐がないやつがあることに衝撃を受けてます」というほどハマッ子には当たり前の存在。

そんな「本場のシウマイ弁当」を東京で受け取れるというのだから、町田市民と大田区民はむしろお得かもしれない。