【農業女子インタビュー】牧場経営者として「酪農女性サミット」を企画&ラジオDJも!活躍の源は「酪農愛♡」
北海道十勝エリアの酪農家、角倉円佳(すみくらまどか)さんは、24歳のときに酪農界では珍しい女性経営者として、牧場を立ち上げました。酪農業を盛り上げようと、女性農業者や地域の人々を巻き込むイベントやワークショップを企画したり、ラジオのDJを務めたりと、大活躍!そんな角倉さんのパワーの源に迫ります!
【北海道の酪農家発】「牛乳豆腐」ってご存じ?牛乳にアレを加えると、まんまカッテージチーズに⁉【実証実験】
「酪農家にはならない」と決めていた子ども時代
牧場「マドリン」を営む角倉さん。両親も酪農家という環境で育ちましたが、中学を卒業するまでは「酪農家には絶対ならない!」と思っていたそう。
「わたしには兄と姉、弟がいます。家族みんなで協力して家業を手伝っていましたが、兄と姉が進学のために実家から離れると、一気にわたしの手伝いが増えてしまって。弟はまだ小さかったので、わたしばかり忙しくて”こんな大変な仕事、イヤだ!”と、毎日思っていましたね(笑)」(角倉さん)
両親からは農業高校への進学を勧められたものの、酪農家にはならないという決意は固く、高校は普通科に進学した角倉さん。ここで、心境の変化が訪れます。
「周りが酪農家だらけの環境から、少し都会に出たことで、いろいろな家族のカタチ・仕事の在り方があると知ったんです。そんな中で”バリバリ働く女性になりたい”、”牛が好きだし、牧場の仕事ならできる。酪農をやりたい”と考えるようになりました」(角倉さん)
こうして、高校卒業後は酪農を学ぶ学校に進み、20歳で牧場研修のためカナダへ旅立ちました。
これって運命!?憧れの女性牧場経営者との出会い
右も左もわからず、言葉もおぼつかないまま、若さと勢いでカナダへ向かった角倉さん。受け入れてくれたのは女性が経営する牧場でした。
「その女性経営者が本当にすごい人で。牛をわが子のように愛していて、仕事もバリバリできるし、おしゃれにも手を抜かない。仕事のやり方や考え方、生き方…とにかく全てがカッコイイ! わたしもこうなりたいって思える人でした」(角倉さん)
とはいえ、日々の研修は甘くありません。
「最初は掃除ですら注意を受けて。満足に仕事ができない自分が本当に情けなかったです」(角倉さん)
それでも笑顔を忘れず、何事も「Yes!」と応じる精神で地域にも溶け込み、充実した2年半を過ごしました。
カナダでの学びを活かし、晴れて牧場経営者に!
帰国後は、両親とともに牧場の仕事をしていた角倉さん。そんなある日、近所の牧場が借りられるという話が舞い込みました。
牧場名の「マドリン」は、角倉さんの高校時代の呼び名。親しみやすくてすてきですね!
「当時、実家は大規模経営だったので、畑作業や子牛の世話、搾乳といった作業を、父・母・わたしを含めた従業員みんなで分担し、仕事をしていました。一方で研修先のカナダの牧場は、子牛を育てるところから搾乳まで、わたし一人で関わることができて、それがすごく楽しかったんです。自分の牧場を持てば、目指す経営ができると思い、挑戦することにしました」(角倉さん)
こうして、地域で初めての女性経営者として牧場「マドリン」を立ち上げました。
酪農に関わる女性の交流の機会を作りたい!
立ち上げ当初、「若い女性に何ができる」と周囲の目は冷ややか。時には涙することもあったという角倉さんを支えたのは、近所に住む酪農家の女性たちでした。
「様子を見に来て声をかけてくれたり、ごはんを持ってきてくれたり。酪農仲間の存在には本当に救われたし、すごくありがたかった。同時に、同じように困っている人がいたら、支えたいと思うようになりました」(角倉さん)
酪農業に関わる女性は毎日仕事に家事に大忙し。当時、情報の共有や同じ悩みを抱えた仲間と集える機会はなかなかありませんでした。
「そこで、『酪農女性サミット』というイベントを開催することにしたんです」(角倉さん)
酪農に関わる女性が集まり、学び、交流する会を目指し、角倉さんを中心に企画メンバーが開催した「酪農女性サミット」。計3回行われ、最終回ではなんと400名を超える参加者が全国各地から集まりました!
「女性ならではの悩みや課題を共有したり、お互いに励ましあったり。いち酪農家としてもすごく勉強になりました」(角倉さん)
食育活動にラジオDJ、酪農の魅力を知ってほしい!
交流会や勉強会など、積極的に行動し、企画する角倉さん。活動していく中で、”酪農家同士の交流だけではなく、地域の人にも酪農を理解してもらう必要がある”と思うようになったそう。
「酪農を含めた農業発展には、地域の活性化は必要不可欠。酪農仲間と一緒に子どもたちへの食育活動に力を入れたり、都市に暮らす若者などを対象にした『ふるさとワーキングホリデー』(※)の受け入れ先として、実習生を積極的に募集したり、酪農を身近に感じてもらえるようにがんばっています!」(角倉さん)
※総務省が2017年に開始した事業で、都市に暮らす若者などが一定期間地方に滞在し、働いて収入を得ながら地域の暮らしを体験する取り組み。
どれも貴重な経験だと話す角倉さん。なんと、日々の活動の一環として、ラジオDJも務めているんです!
「酪農に携わるキラキラした女性を紹介したいと、ラジオ番組『とかちウーマンフロンティア』のDJを担当しています。番組ではゲストを招き、その方の活動や想いを対談形式で紹介しています。Spotifyなどポッドキャストを利用すれば全国どこからでも聴くことができるので、ぜひ聴いてくださいね!」(角倉さん)
角倉さんがラジオDJを務める「とかちウーマンフロンティア」はFMJAGAで毎週土曜日に絶賛放送中。気になる方は要チェックです!
聴くだけで元気が出ると好評な「とかちウーマンフロンティア」。酪農に詳しくない方でも楽しめる内容ですよ!
取材の最後に、角倉さんに消費者へのメッセージを聞くと、こんなコメントが返ってきました。
「47都道府県すべてに牧場があるので、日本全国どこでも、その土地ごとの牛乳を手にすることができます。これだけでも牛乳がいかに身近な存在か感じてもらえるんじゃないかな。牛乳消費が叫ばれていますが、いつでも牛乳をたくさん飲んでもらいたい! というのが酪農家の本音。そのために牛乳の魅力、酪農の魅力をもっともっと発信していきたいです」(角倉さん)
アツイ気持ちをもって日々活動する角倉さん。これからの活動に注目です!
角倉さんおすすめの牛乳レシピもあわせてチェック。
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「酪農家にはならない」と決めていた子ども時代
牧場「マドリン」を営む角倉さん。両親も酪農家という環境で育ちましたが、中学を卒業するまでは「酪農家には絶対ならない!」と思っていたそう。
「わたしには兄と姉、弟がいます。家族みんなで協力して家業を手伝っていましたが、兄と姉が進学のために実家から離れると、一気にわたしの手伝いが増えてしまって。弟はまだ小さかったので、わたしばかり忙しくて”こんな大変な仕事、イヤだ!”と、毎日思っていましたね(笑)」(角倉さん)
両親からは農業高校への進学を勧められたものの、酪農家にはならないという決意は固く、高校は普通科に進学した角倉さん。ここで、心境の変化が訪れます。
「周りが酪農家だらけの環境から、少し都会に出たことで、いろいろな家族のカタチ・仕事の在り方があると知ったんです。そんな中で”バリバリ働く女性になりたい”、”牛が好きだし、牧場の仕事ならできる。酪農をやりたい”と考えるようになりました」(角倉さん)
こうして、高校卒業後は酪農を学ぶ学校に進み、20歳で牧場研修のためカナダへ旅立ちました。
これって運命!?憧れの女性牧場経営者との出会い
右も左もわからず、言葉もおぼつかないまま、若さと勢いでカナダへ向かった角倉さん。受け入れてくれたのは女性が経営する牧場でした。
「その女性経営者が本当にすごい人で。牛をわが子のように愛していて、仕事もバリバリできるし、おしゃれにも手を抜かない。仕事のやり方や考え方、生き方…とにかく全てがカッコイイ! わたしもこうなりたいって思える人でした」(角倉さん)
とはいえ、日々の研修は甘くありません。
「最初は掃除ですら注意を受けて。満足に仕事ができない自分が本当に情けなかったです」(角倉さん)
それでも笑顔を忘れず、何事も「Yes!」と応じる精神で地域にも溶け込み、充実した2年半を過ごしました。
カナダでの学びを活かし、晴れて牧場経営者に!
帰国後は、両親とともに牧場の仕事をしていた角倉さん。そんなある日、近所の牧場が借りられるという話が舞い込みました。
牧場名の「マドリン」は、角倉さんの高校時代の呼び名。親しみやすくてすてきですね!
「当時、実家は大規模経営だったので、畑作業や子牛の世話、搾乳といった作業を、父・母・わたしを含めた従業員みんなで分担し、仕事をしていました。一方で研修先のカナダの牧場は、子牛を育てるところから搾乳まで、わたし一人で関わることができて、それがすごく楽しかったんです。自分の牧場を持てば、目指す経営ができると思い、挑戦することにしました」(角倉さん)
こうして、地域で初めての女性経営者として牧場「マドリン」を立ち上げました。
酪農に関わる女性の交流の機会を作りたい!
立ち上げ当初、「若い女性に何ができる」と周囲の目は冷ややか。時には涙することもあったという角倉さんを支えたのは、近所に住む酪農家の女性たちでした。
「様子を見に来て声をかけてくれたり、ごはんを持ってきてくれたり。酪農仲間の存在には本当に救われたし、すごくありがたかった。同時に、同じように困っている人がいたら、支えたいと思うようになりました」(角倉さん)
酪農業に関わる女性は毎日仕事に家事に大忙し。当時、情報の共有や同じ悩みを抱えた仲間と集える機会はなかなかありませんでした。
「そこで、『酪農女性サミット』というイベントを開催することにしたんです」(角倉さん)
酪農に関わる女性が集まり、学び、交流する会を目指し、角倉さんを中心に企画メンバーが開催した「酪農女性サミット」。計3回行われ、最終回ではなんと400名を超える参加者が全国各地から集まりました!
「女性ならではの悩みや課題を共有したり、お互いに励ましあったり。いち酪農家としてもすごく勉強になりました」(角倉さん)
食育活動にラジオDJ、酪農の魅力を知ってほしい!
交流会や勉強会など、積極的に行動し、企画する角倉さん。活動していく中で、”酪農家同士の交流だけではなく、地域の人にも酪農を理解してもらう必要がある”と思うようになったそう。
「酪農を含めた農業発展には、地域の活性化は必要不可欠。酪農仲間と一緒に子どもたちへの食育活動に力を入れたり、都市に暮らす若者などを対象にした『ふるさとワーキングホリデー』(※)の受け入れ先として、実習生を積極的に募集したり、酪農を身近に感じてもらえるようにがんばっています!」(角倉さん)
※総務省が2017年に開始した事業で、都市に暮らす若者などが一定期間地方に滞在し、働いて収入を得ながら地域の暮らしを体験する取り組み。
どれも貴重な経験だと話す角倉さん。なんと、日々の活動の一環として、ラジオDJも務めているんです!
「酪農に携わるキラキラした女性を紹介したいと、ラジオ番組『とかちウーマンフロンティア』のDJを担当しています。番組ではゲストを招き、その方の活動や想いを対談形式で紹介しています。Spotifyなどポッドキャストを利用すれば全国どこからでも聴くことができるので、ぜひ聴いてくださいね!」(角倉さん)
角倉さんがラジオDJを務める「とかちウーマンフロンティア」はFMJAGAで毎週土曜日に絶賛放送中。気になる方は要チェックです!
聴くだけで元気が出ると好評な「とかちウーマンフロンティア」。酪農に詳しくない方でも楽しめる内容ですよ!
取材の最後に、角倉さんに消費者へのメッセージを聞くと、こんなコメントが返ってきました。
「47都道府県すべてに牧場があるので、日本全国どこでも、その土地ごとの牛乳を手にすることができます。これだけでも牛乳がいかに身近な存在か感じてもらえるんじゃないかな。牛乳消費が叫ばれていますが、いつでも牛乳をたくさん飲んでもらいたい! というのが酪農家の本音。そのために牛乳の魅力、酪農の魅力をもっともっと発信していきたいです」(角倉さん)
アツイ気持ちをもって日々活動する角倉さん。これからの活動に注目です!
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株式会社マドリン
角倉円佳(すみくら まどか)さん
北海道生まれ。帯広畜産大学別科を卒業後、20歳でカナダへ留学し、女性の牧場経営者のもとでの2年半の研修を経て帰国。24歳で「株式会社マドリン」を北海道・十勝に設立、女性酪農家としてスタート。以降、女性農業者としてラジオ番組DJもこなすなど、地域を活性化するために奮闘中。ふるさとワーホリ、酪農体験や実習生も、積極的に受け入れている。
株式会社マドリンHP:https://mowmow-madelyn.com/
角倉さんのラジオ番組:とかちウーマンフロンティア(FMJAGA)
https://www.jaga.fm/pg_list.php?id=29