首都圏では昨年2021年の新築分譲マンションの価格が3年連続で上昇、過去最高※を記録しました。コロナ禍における住宅の需要が高まる中、2022年2月の【フラット35】金利はどうなったのでしょうか。動向をお伝えします。
※不動産経済研究所調べ

2022年2月の【フラット35】金利

今月の全期間固定金利型住宅ローン【フラット35】(買取型)の金利(最低金利)は融資率9割以下、返済期間21~35年、機構団信加入で1.35%となり1月から0.05ポイント引き上げに。融資比率9割以下・返済期間15~20年の金利は1.23%と、同様に0.05ポイントの引き上げとなりました。

まとめ

最後に今月の金利変動について、不動産や金融についてその業界の人に匹敵する知見をもつ、公認会計士ブロガー千日太郎さんにまとめていただきます。

長期金利急上昇に対して2022年2月の【フラット35】金利上昇は抑えられた

長期金利の上昇に伴い、2022年2月の【フラット35】(買取型)の金利も上昇しています。

機構債の表面利率が発表された当日の長期金利終値は0.13%と前月から0.09ポイントの急上昇となっています。これに対して機構債の表面利率は0.40%と前月から0.08ポイント上昇に抑えられました。さらに【フラット35】(買取型)の金利は1.35%と前月から0.05ポイントの上昇となっています。【フラット35】(買取型)の資金調達の仕組み(※)からするとかなり上昇が抑えられたと評価して良いと思います。

2021年12月から2022年1月にかけては機構債の表面利率が決まった時のマーケットの長期金利が0.03ポイント下がったことを反映して機構債の表面利率が0.04ポイント下がり、その機構債の表面利率を反映して【フラット35】の金利は0.03ポイント下がりました。0.01ポイントの誤差はありますが、これが通常の連動パターンです。

これに対して2022年1月から2月にかけてはマーケットの長期金利0.09ポイントの上昇を反映して機構債の表面利率は0.08ポイントの上昇となりました。この0.01ポイントは誤差としても、機構債の表面利率0.08ポイントの上昇に対して【フラット35】(買取型)の金利は0.05ポイントの上昇となっているのは、住宅金融支援機構が0.03ポイントの損を被ってわたしたちに住宅ローンを貸しているということになります。

【フラット35】は長期金利の動向をダイレクトに反映しやすいのですが、一方で公的融資であることから、急激な金利上昇の影響を緩和する傾向があります。

長期金利の動向としては、米中央銀行が量的緩和政策を縮小することを決定しており、2022年には複数回にわたり利上げを行う可能性が濃厚となっています。

新型コロナウイルス変異株の感染拡大とウクライナ情勢の緊迫化が重しにはなっていますが、これらが収束すれば利上げペースに拍車がかかるでしょう。そうなれば日本の長期金利もさらに上昇していくことが予想されます。住宅ローンの実行までは金利の動向に目を配っておき、複数の金利タイプで審査を通しておくことをお勧めします。

※【フラット35】(買取型)の資金調達の仕組み
住宅ローンの【フラット35】(買取型)は、下図のように住宅金融支援機構が民間金融機関から債権を買い取って証券化し、機関投資家に債券市場を通じて機構債という形で販売するという仕組みになっています。機構債は毎月20日前後に表面利率を発表し募集します。投資家たちは機構債を国が取り扱う安全な債券という考えで購入しますので、機構債の表面利率は国が発行する債券=10年国債の利回り(長期金利)に連動する傾向があります。

フラット35の仕組み