監査法人KPMGは、欧州8大リーグの王者の主要な数字を、同社のサッカーベンチマークツールで比較した「ザ・ヨーロピアン・チャンピオンズ・レポート」を発表。その中で唯一、黒字を計上することができたのはバイエルン・ミュンヘンただ1つだった。一方で最も赤字を計上したのはインテル・ミラノで、3億4750万ユーロと売上高を2割近く伸ばしたものの、2億4660万ユーロのマイナス。またバルセロナの4億8130万ユーロには遠く及ばないにしても、アトレチコ・マドリーも1億1170万ユーロのマイナスを抱えている。

 またプレミアリーグを制するなど、17%増で今回最高の売上高6億4420万ユーロを記録したマンチェスター・シティについては、KPMGによれば利益を上げているかどうかは不明とのこと。ただエミレーツ傘下のクラブにとって、それは二の次の話だろうが。また他国の王者に目を向けると、アヤックスは810万ユーロ、リールは2320万ユーロ、スポルティングは3300万ユーロ、そしてベシクタシュは4440万ユーロのそれぞれのマイナスを記録。

 確かに売上高などは移籍金にも影響を受けるところであり、またコロナ禍によって観客収入の減少などの影響などもある中で、少なくともメディアや広告収入の上昇によってマイナスは軽減されるとの見方を示し、その中でバイルンは全体2位の売上高となる5億9750万ユーロを記録。利益も若干ではあるが180万ユーロとした背景にあるものは、コロナ禍にも関わらずバイエルンが多くのパートナーシップを締結し、主要な商業契約の変更がされなかったことにあると、KPMGはみているという。

 さらにバイエルンは、ブンデスリーガ全体にも言えるこことだが「ブロックチェーンベースのパートナーシップ」と、ソラーレとの契約を通じてNFT革命に傘下するなど「技術革新に対するオープンな姿勢」が、ドイツの業界関係者のリーダーたちに大きなメリットとして映し出せたようだ。とりわけ人件費/売上高比率は特筆すべきものがあり、バイエルンは唯一60%以下(58%)を記録。ベシクタシュは62%、インテルは75%、アヤックスとアトレチコは76%、スポルティングは97%、リールは106%。なおマンチェスター・シティは財務諸表を公開していないため不明。