時短と節約になる「作り置き」。それがいいことなのは分かっていても、わたしは嫌だという人はいる。はてな投稿ダイアリーに12月8日、「作り置き食べたくない」という共働き妻の声が投稿され注目を集めた。投稿者は

「仕事から帰ってお腹すいててさて夕飯の支度しようかって時に全く食べたい気分じゃないおかずが冷蔵庫にぎっしり入ってるのが本当にテンション下がる」

と書く。いつからか夫が休日に料理を大量に作り置きして冷蔵庫に入れておくようになった。「好意でやってくれるのは分かるし、気持ちはありがたい」としながらも、自分にとって作り置きがどれだけイヤか、長文で綴っていた。(文:okei)

「そんな気軽に買ってたら節約出来ないよ?」夫の正論にヘコむ妻


投稿者によれば、食費は折半。夫は妻ほど食に興味がなく、節約意識が強いようだ。一方妻は、その日の気分で食べたいものを作ったり、たまにはテイクアウトもしたいという、食を楽しみに生きるタイプらしい。

そのため時々、お刺身や「あの店」の料理を食べたいから買って帰っていい?と夫にLINEするのだが、

「冷蔵庫に既に生姜焼きのストックと鶏の照り焼きが漬けてあるのに、それ買うの?デパ地下の惣菜、そんな気軽に買ってたら節約出来ないよ?何のために作り置き用意してあるか考えて?」

とコスパと効率など正論を説かれ、諦めるしかないという。しかし「ちょっとぐらい節約とか忘れて食べたい気分のもの買ったって良いじゃん」と不満げだ。ケンカもしたくないので耐えるのみらしい。

果ては、こうして我慢しているうちに年をとって脂っこいものや味の濃い料理を食べられなくなり後悔するのでは、と心配。「結婚とか主婦とか向いてなかったかも知れないな」とまで考えヘコんでいた。夫婦で食に対する姿勢が違うと、毎日のことだけに辛いだろう。

「主菜を作り置くと気分じゃない時にうんざりするので私もやめた」という声も

この投稿にはブックマークが1000以上つき、さまざまな意見があがっていた。意外と多かったのが、「わかる」と投稿者に共感する声だ。

「主菜を作り置くと気分じゃない時にうんざりするので私もやめた。副菜やスープ類なら作り置きが数日続いても割といける」
「俺も実は出来立て信者みたいな部分があって、できるだけ直後に料理されましたよ風のモノを食いたい欲求みたいなのはある」

やはり作りたてが一番美味しいし、効率よりもその日の気分を重視したい気持ちはわかるという雰囲気だった。

また中には、「この不満は男女逆なことが多かったよね。男がその不満を言うとは否定されることが多かった」というジェンダー観点の指摘や、「作り置きとはいえご亭主が積極的に準備って、なんとも羨ましい話だなぁ」という声もあり、筆者も同感だ。食の好みや節約云々だけではなく、共働き家事負担についても考えさせられ、注目を集めたのだろう。

筆者も毎日調理する立場だが、「休日に作り置き」すること自体が面倒なので作り置きはしない。しかしネットで「作り置きレシピ」を検索するとおびただしい数のレシピがあり、それを必要とする人が多いこともよくわかる。筆者も夫がやってくれるなら大歓迎だ。共働きで幼い子どもがいて、毎日秒を争う忙しさの家庭なら尚更だろう。

すると投稿者家庭のように「時短・コスパ」重視の食事になってくる可能性はあるが、それ自体は良いとも悪いとも言い切れない。投稿者の場合、自分ばかり我慢しているようで、いつか爆発しそうな感じが危うい。たとえ夫婦でも価値観が合わないことはあるのだから、自分の思いも少しは尊重してもらえるよう、勇気をだして話し合ってみてほしい。