新型コロナの影響で見学者激減、新規入居者確保が困難に

 (株)アセット(TDB企業コード:530415510、資本金1000万円、旧本店=兵庫県神戸市兵庫区中道通6丁目1-29、登記面=大阪府吹田市春日1丁目1−18、代表押部浩二氏、従業員76名)は、9月3日に大阪地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全処分ならびに監督命令を受けた。

 申請代理人は野城大介弁護士(大阪府大阪市北区中之島3-2-4 中之島フェスティバルタワー・ウエスト11階、きっかわ法律事務所、電話06-4708-5671)ほか6名。監督委員には磯田光男弁護士(大阪府大阪市中央区今橋3-3-13 ニッセイ淀屋橋イースト16階、弁護士法人三宅法律事務所、電話 06-6202-7873)が選任されている。

 当社は、1999年(平成11年)11月に老人ホームの経営を目的に設立。同年12月には、大阪の不動産業者から神戸市須磨区内の施設などの営業権を譲り受けるとともに、明石市内にも施設を開設。その後、2003年6月に神戸市内に1施設、翌年12月に「パーマリィ・イン緑地公園」を開設、4施設の介護付終身型有料老人ホームの運営を手がけていた。各施設とも比較的入居しやすい家賃設定で、入居時に一括して支払われる入居保証金においては分割払い型を採用。各施設とも立地条件に恵まれ、入居者の口コミなどで知名度が向上し入居率が向上した2007年9月期には年収入高約15億1700万円を計上していた。

 しかし、その後は入居時保証金の分割入金が済んだ10年以上の入居者が増加したことで減収となり、2017年9月期の年収入高は約11億9900万円にまでダウン。また、収益面でも介護スタッフ確保に伴う人件費負担も重く、赤字計上が常態化、債務超過に陥っていた。

 このようななか、入居率向上のため、セミナーや見学会を積極的に開催、収益改善に注力していたが、新型コロナウイルス感染拡大を受け施設の見学者なども大きく減少。新規入居者の確保も難しい状況となり、より一層厳しい資金繰りを強いられていた。資金繰り改善のため2021年6月には当時の本店(神戸市兵庫区)の不動産を売却。さらにその後は緑地公園以外の施設の運営を同業者へ譲渡し、8月には本店登記を現所へ移転。パーマリィ・イン緑地公園の運営を継続していたが資金繰りも厳しく、自力での再建を断念。民事再生手続きによるスポンサー企業への事業譲渡で再建を目指すこととなった。

 負債は約8億3000万円。
 
 債権者説明会は9月8日(水)午後2時(開場:午後1時30分)、エル大阪本館6階大会議室にて行われる予定。なお、新型コロナウイルスの感染対策の観点から債権者説明会はWEBからも参加できる。