大家の驚きの行為には多くの人が感嘆した(画像は『Chris Robarge 2021年8月11日付Facebook「A person I formerly rented from asked me for my current address recently」』のスクリーンショット)

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家の購入は人生をかけた買い物の1つであり、ローンの返済は多くの人が経験する試練でもある。このほどローン返済を終えて家を売却した大家が、かつて部屋を貸していた住人に“ローン返済に貢献してくれたお礼”として27万円以上の小切手を送ったという。心優しく律儀な大家の対応に、ネット上では「こんなに素晴らしい人がまだいるんだ」と感嘆の声が寄せられている。『The Mirror』などが伝えた。

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米マサチューセッツ州ウースター在住のクリス・ロベルジュさん(Chris Robarge)は、以前借りていた部屋の大家から現住所を尋ねる連絡があったという。

クリスさんは「借りていた部屋は、私が離婚した直後に住んでいた部屋でした。公正な価格の家賃を支払い、他の賃貸物件と同様にその家での生活を楽しみました」と特に変わったことは無かったと明かしている。

その後、現住所を伝えたクリスさんのもとに大家から1通の封筒が届いた。中に入っていた手紙には当時の家を売却したという内容が書かれていた。続けて「私は不動産を売却した後に、そのお金を保持するという資本主義の伝統は搾取的であり、公平な社会とは正反対のことだと思っています」と自身が手にしたお金を自分だけの利益にしておくことを嫌う旨の一文が綴られていた。

この大家は家を維持するための費用として妥当な価格を住宅ローンの元金や利息、税金、保険料、光熱費、改善費などから計算し、当時の家賃として適用していたという。

そして「住宅ローン全体に対する貢献の割合はわずかですが、あなたが支払ってくれた家賃の一部を返したいと思いました。あなたが当時住んでいた時に私が支払った毎月の住宅ローンを、当時住んでいた住人の人数で割り40%分を上乗せしました(これは家を購入してから上昇した価値の分です)」と記されており、ごく一部だがローン返済の一助となったクリスさんにお礼をすることを決断したのだ。

手紙の最後は「そんなに大きな金額ではありませんが、これはあなたの物です! とても素敵な家でしたし、あなたと共有することができて嬉しく思います」と締めくくられていた。この手紙と一緒に小切手が同封されており、そこには2500ドル(27万円超)もの金額が記載されていた。

かつての大家からのお礼、しかも予想を超えた金額の小切手が届いて驚いたクリスさんは「私はこの出来事を丸一日以上考えていますが、大家のこの行為が私にとってどれだけの意味をもたらしてくれたのか、とても言葉には表すことはできません」と面食らっていると明かす。

さらに「私が言えることは、世の中には自分の価値を語るだけの人もいれば、それを実際に行動に移す人もいるということです。そして私が今回のことをシェアしたかったのは、自分の思う価値観を行動に移してほしいと思ったからです。たとえ仕事でなくとも、誰も見ていないとしても、ぜひ実践してみてください」と自身の思いをFacebookに投稿した。

信じ難いほど親切な大家からの手紙に、ネット上では「真の人間性を表す素晴らしい事例だ」「言葉を失うくらい素敵な出来事をシェアしてくれてありがとう」「こんなに素晴らしい人がまだいるなんて驚きだよ」「善い行いには良いことが返ってくるんだ」など感心のコメントが集まっている。

なおクリスさんは受け取ったお金について深く考え、車の維持のために必要な500ドル(約5万4千円)だけを手元に残し、残りは全て価値ある目的や必要としている人々に寄付すると明言した。

「あなたが今回の大家のようなことができないとしても、これをきっかけに必要としている人や場所に自分ができることをしてみてください。」

画像は『Chris Robarge 2021年8月11日付Facebook「A person I formerly rented from asked me for my current address recently」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)