陸上男子110メートル障害で金メダルを獲得したハンスル・パーチメント 【写真:AP】

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五輪で起きていた金メダル選手の秘話、ジャマイカ観光省も日本人女性に感謝

 東京五輪陸上男子110メートル障害の31歳ハンスル・パーチメント(ジャマイカ)は、準決勝でバスを間違えて違う会場に行ってしまったが、日本人女性の助けによって事なきを得た。結果的に金メダルを獲得。後日、感謝を伝えるために再会した秘話の反響が広がっている中、ジャマイカ観光省は女性を母国に招待したい意向を示している。

 4日の準決勝、選手村を出たパーチメントはバスを間違え、国立競技場とは逆方向の競泳会場へ。一度選手村に戻った場合、ウォーミングアップの時間はないと考えていたところ、日本人の女性スタッフがタクシー代を渡してくれた。無事に十分な時間を得て、準決勝を組2着で突破。5日の決勝は13秒04で金メダルを獲得した。

 後日、金メダルとプレゼント用のシャツを持って再び競泳会場へ。助けてくれた女性を見つけ「勝ったんだ。あなたが助けてくれたから。お金も返すよ」と感謝を伝え、2ショットを撮影した。インスタグラムでこの様子の動画を公開すると、海外ファンから「とても心温まる話だ」と反響を集めていた。

 ジャマイカ紙「ザ・グリーナー」もこの出来事を報じた。記事によると、ジャマイカ観光省のエドモンド・バートレット大臣は、同紙に「彼女は無私無欲の行動をしてくれた」と感謝。「バートレット大臣はこの女性をジャマイカ旅行に招待したいと語った」と説明している。「彼女がどこに居ようと、私たちは仲間が受けた親切にお返しがしたいのです」と大臣が希望しているという。

 助けがなければ、準決勝すら突破できなかったかもしれない。感謝の気持ちをどうにか届けたいようだ。(THE ANSWER編集部)