ストレスによる白髪はストレス解消で元の色に戻る可能性がある
「ストレスを受けることで放出されるノルアドレナリンがメラニン細胞に影響を与える」というマウスを使った研究結果が明らかにしているように、ストレスによって毛が白くなるというのは実際に起こり得る話です。今回科学者たちが行った新たな研究により、「白くなった髪の毛は元の色に戻る」ことが明らかになりました。
Quantitative mapping of human hair greying and reversal in relation to life stress | eLife
It's true: Stress does turn hair gray (and it's reversible)
https://medicalxpress.com/news/2021-06-true-stress-hair-gray-reversible.html
コロンビア大学アーヴィング医療センターに籍を置くマーティン・ピカード氏らは、14人のボランティアから髪の毛を採取し、過去1年間で経験したいくつかの出来事にそれぞれどれほどストレスがかかったのかを聞き取りました。
そして、独自に開発したという手法を用いて髪の毛の色の変化を測定し、ボランティアが経験した出来事と対照させたところ、ストレスが多くかかった日と同時期に髪の毛が白くなっていることが明らかになったとのこと。
また、1人のボランティアから採取した5本の髪の毛が、ボランティアが休暇を取った期間中に白から元の色に戻っていたことが分かったことから、ピカード氏は「場合によってはストレスが解消されることで色が変わることが明らかになった」と述べています。
また、髪の毛のタンパク質の変化と髪の色の変化とを結びつけて数理モデルを作成したところ、ストレス・毛の色・ミトコンドリアの3者の関係はマウスの実験で見られたようなものとは異なっていたことが分かったとのこと。ピカード氏らは「髪の毛の色の変化は可逆的であり、マウスとは異なるメカニズムで機能します。数理モデルに基づくと、ストレスにはしきい値があり、ストレスレベルがしきい値を超えると髪の毛が白くなると考えています」と述べました。