バイカー&サーファーに愛される逗子の弁当屋『魚平商店』の弁当が旨いワケ!
食楽web
緊急事態宣言だったり在宅ワークだったりと、家で過ごす時間が多かった2021年冬。たまには三密なんて関係ない、広い空間でぼーっとしたい…。って時に最適な場所が逗子にありました。
JR逗子駅から徒歩約15分ほどの場所にある、仕出し弁当のお店『魚平商店』が、コロナきっかけで、店頭でお弁当やお惣菜を販売するように。その美味しさがバイカーの口コミで広がった結果、今は地元の人はもちろん、九州や東北など、遠くから魚平商店を目指してやってくるそう。
全国のバイカーがなぜ逗子のお店に? 疑問に思いつつも、住宅街のくねくねとした道を進み、店へと向かいます。
メンチと目玉焼きがこぼれるっ! 山盛り350円弁当発見
ホワイトボードにこの日のお弁当メニューが。ご飯大盛りの場合は+110円
店に入ると、大きなテーブルの上にカキフライやイカフライなどの揚げ物が。さつま揚げはカレーパンぐらいの大きさ、でかい!
そして、一番左端に陳列されていたのは、フタがゴムで止まっているものの、思いっきり浮いちゃっている350円弁当。大きなメンチが横から零れ落ちそうなほど、山盛りになっています。
そして、おさしみ弁当、と書かれた名札の前には「お刺身入り弁当 すぐできます。お声かけてください」と書かれた紙が。お刺身の弁当はおそらく作り置きはせず、注文後に盛り付けるんだろうなぁ~。
いや、そもそも、刺身の弁当って? 弁当で刺身って、あったまっちゃったり時間がたったらダメなおかずの代表、刺身?
ということで、魚平で気になったお弁当、3つを紹介します!
賞味期限完成後30分! 6~7種の刺身がおかずの「おさしみ弁当」750円
「おさしみ弁当」750円。刺身の内容は季節などにより多少の入れ替えあり
マグロの赤身とすき身、カンパチやタイなどの白身、えび、アジのたたき、サーモン、タコなど、日によって6~7種の刺身に、ゴハン、かまぼこときんぴらが入った「おさしみ弁当」。醤油の小袋は2つ入っています。食べてみたら確かに1つじゃちょっと足りない。なるほど。
「最初はね、うちにある惣菜でお弁当作って売っていたんだけれど、マグロの切り落としとかあるから、それを弁当にしてね」と話すのは、若旦那の和田大輔さん。出してみて言われたんだけれど、刺身っておかしくね? ってSNSで突っ込まれてね~。普通弁当にしないよね~。と笑いながら語ります。
そもそも法事やパーティなどの、ケータリングがメインで商売をしていたのですが、コロナで注文がゼロに。そこでケータリングや仕出し弁当などで使う材料でお弁当を作って販売するようになったのがきっかけだそう。だから新鮮な魚介でお弁当が作れるそうです。
しかし「持ち帰りは30分以内、1時間以上かかる場合はお断り」のおさしみ弁当。じゃぁ遠くから買いに来た人はどうすれば? 「ここから30歩ぐらいで海があるから、そこで食べる人が多いよ~」とのこと。なるほど。海を見ながら刺身弁当。砂浜に座ってサップなど海遊びしている人をのんびり眺めつつお弁当。いいなぁ~それ。
揚げ物+揚げ物+肉+目玉焼き! ハイカロリー感がたまらない「350円弁当」
目玉焼きとゆで卵、メンチにコロッケ、ハンバーグ! パンチの効いた350円弁当
ジャンボメンチカツ、ミートコロッケ、ミニハンバーグ、目玉焼きにゆで卵、そしてゴハンの一面を覆うキャベツ千切り。圧倒的にタンパク質と炭水化物な350円弁当。「バイクで来たお客さんとか、サーフィンに来る兄ちゃんとか、遠くから来た人には売れるんだよね~」と若旦那。
時にはチキンカツになる時もあるそうですが「日によってはジャンボハンバーグとミニハンバーグって日もあるよ」とのこと。フタがぴったり閉まらないボリューム、そして自由すぎるおかずのラインナップ。いいユルさだ~。
「あ、海岸でお弁当食べたら、カラの容器はウチに持ってきてね~。砂浜にゴミ残したら困るからさ」。ということで、もし海岸で食べる場合は、食べ終わった後のカラの容器はお店にお願いして捨ててもらいましょう。
2月から販売開始。1番人気の「海老天丼」1200円
「海老天丼」1200円。大ぶりなエビ天2つとイカ天入り
「前々からやりたいと思っていたんだけれどね~、天ぷらの職人さんが来てくれることになったので始めたお弁当」。それが「海老天丼」。大きなサイズのブラックタイガーの天ぷらと、イカ天が入った、2月現在一番人気のお弁当です。
その理由の一つが、「注文から10分ほどお時間をください」の但し書き。つまり注文が入ってから天ぷらを揚げる、揚げたてサクサクが食べられるお弁当です。「最近はリピーターが増えてね~」。ごま油3、サラダ油7の油で揚げる出来立ては、確かに魅力的です。「うちのお弁当はゴハンも高級米を使用していて美味しいからね」。10分待つのが嫌なら電話予約がオススメです。
ちなみに店頭では「天かす ご自由にどうぞ」と小袋に入った天かすも置かれています。海老天丼は海岸で食べて、天かすは持ち帰って家でうどんにのせて、ってのもいいなぁ。
独自の調理法でふっくら美味しい「うなぎ弁当」1000円
「うなぎ弁当」1000円。ツヤッツヤ、タレで輝くうなぎにうっとり
「こっちも人気なんだよ~」と話すのは「うなぎ弁当」。B5サイズの弁当箱にうなぎがど~ん! ふっくらとしたうなぎの食感に、冷めていても感じる香ばしさ。タレの濃さも絶妙で、豊かな味わいを楽しむことができます。「実をいうと私が世の中で一番好きな料理がうなぎ、「うな重」なんです。なのでどうしても自分の店で売ってみたいと言う欲求から販売することにしたんですよ」。
うなぎは築地(豊洲)で安くて美味しい鰻を販売している仲卸さんを見つけて仕入れているとのこと。さらに「どうしたらふっくらと蒸しあがるか? を研究に研究を重ねて編み出した料理法で作っています。これは企業秘密」とニッコリ。
熱狂的ファンがいる「汐カラ」と聖地巡礼の証拠「ステッカー」
「イカ汐カラ」460円と、魚平商店オリジナルステッカー300円~。弁当レーサー?
お弁当以外でも密かな人気なのが、自家製のイカの塩辛「汐カラ」と、魚平オリジナルのステッカー。でもなんで、仕出し&弁当のお店で、ステッカーが人気なの?「バイクでうちにお弁当を買いに来た人が、記念にステッカー買って、バイクに貼ってくれるんですよ」と若旦那。さらに店頭で記念撮影をしてSNSにアップする人が結構いるそうです。
でもなんで?「いや実は、私がバイク雑誌などにしょっちゅう出ているので。バイク専門誌はもちろんですが、ガレージでファッション雑誌の撮影とかもあったりするんですよ」。
実は若旦那、バイクマニアには有名ないわば『スーパー読モ』。この日も午後から某バイク雑誌の取材が入っていました。そのため、雑誌を読んだ人が直接会いに来ることも多く、ちょっとした聖地巡礼の場所に。だからステッカーを買っていくバイカーが多いそうです。最新ステッカーは中央にある黒地に金文字のステッカー300円。なるほど!
「春は花見用の桜弁当も販売します。逗子に遊びに来てね」(若旦那の和田大輔さん)
そのため、お弁当の他にバイクの修理も請け負っていて、「バイクショップじゃないけれど、相談には乗りますよ」とのこと。土日は忙しいので時間が取れないそうですが、平日の14時以降なら多少手があくので、バイクの話などができるそうです。
バイク雑誌のスーパー読モが作る、山盛り350円弁当や賞味期限30分のさしみ弁当、そして30歩先は逗子の海! 魅力たっぷりすぎる『魚平商店』のお弁当。週末限定で「ブリカマ弁当」880円(ブリカマ単品は680円)も個数限定で販売しているとのことなので、次回は土曜午前中に買いに来て、日中のんびり海を見ながら過ごしたいと思います!
(取材・文◎いしざわりかこ)
●SHOP INFO
店名:魚平商店
住:神奈川県逗子市新宿2-9-34
TEL:046-871-2259
営:10:30~18:00
休:水曜、祝日