ベトナムの老舗の味を東京でも味わえる | 食楽web

 ハノイで屋台販売から始め、ホーチミンに移転して75年。朝食だけの営業で1日200食を売り上げるベトナムの人気フォーの店『フォーミン』が、2020年12月に下北沢にオープンしました。

 “本場の味が楽しめる”とあって、オープンから間もないのに、早くも話題になっている気鋭のフォー専門店の実力を体験してきました!

オシャレな店内はカウンター席とのんびり過ごせるソファー席が

 店のロケーションは下北沢駅から徒歩5分、賑やかな下北沢南口商店街のビルの2階。中に入ってみると、オシャレなカフェのような明るい雰囲気です。お一人さまでも気軽に利用できるカウンター席と、グループでのんびり過ごせるソファ席が用意されています。

門外不出のフォーが日本でも食べられるようになったワケとは?

「フォー」単品は880円。こちらは牛肉をトッピング

 創業者はベトナムの北部ハノイ出身のチャン・ミンさん。「フォーミン」という名は、ミンさんのフォーという意味。ハノイで屋台の移動販売を始め、1957年にホーチミンに引っ越して、ハノイ味のフォーを販売するとたちまち大人気に。多種多様なハーブやもやしをトッピングするハノイ・スタイルは、一説にはミンさん考案のものと言われています。

まる2日間煮込んだ澄んだスープ

 創業以来、品質維持のため、1店舗だけの家族経営で味を守り抜いていた『フォーミン』ですが、3代目のディさんの「この味を世界に広げ、より多くの人を笑顔にしたい」との思いから、日本進出に至ったとのこと。オープンにあたり工場にベトナムからシェフを招き、徹底的にレクチャーを受けて、現地そのままの味を再現させているというこだわりよう。これはいやが上にも期待が高まりますね。

幅広のフォー麺

 さっそくフォーをオーダー。まずはスープを一口。透明に澄んだキレイな色味のスープは、見た目に反して力強い味です。これは牛のスネや肩バラ、アキレス腱、ササ肉の4種類の部位を、弱火でコトコト丸2日煮込んでとったもの。そこにベトナムの魚醤・ヌクマムを加えて味を整えています。麺は自家製の米粉麺、食べるとモチモチとした食感がたまりません。

ゆっくりランチなら「フォーミンセット」がベスト!

ミートパイ、飲み物がついた「フォーミンセット」1350円(牛肉トッピング+220円)

 ゆったりとソファでランチを楽しむなら、こちらの「フォーミンセット」がオススメ。フォーにのったパクチーに加え、小皿にはハーブとライムが添えられます。中には初めて見る、ギザギザの葉っぱが。これは「のこぎりコリアンダー」と呼ばれるパクチーの一種。フォーには定番のハーブで、パクチーよりも香りが強烈で、歯触りもしっかり固め。手でちぎって食べるのですが、独特の食感が、フォーにぴたりと合うんです。

手作りミートパイ220円。単品のオーダーもOK

 また、「フォーミンセット」には、自社工場で作られ、毎日店頭で焼かれる手作りミートパイが付きます。豚ひき肉にヌクマムと塩胡椒とシンプルな味付けですが、肉の味がガツンときて、これがまた実に美味!

ベトナムの名物料理「バインミー」530円

 このほか、サイドメニューはバインミー、生春巻きなど5種類がラインナップ。今回はベトナムのサンドイッチ「バインミー」をオーダーしてみました。具材は照り焼きチキンをメインに、大根、ニンジンの酢漬けのなます。ソフトなバゲットによく合います。レバーペーストは控えめで、ベトナム現地のものと比べるとかなり食べやすい味になっています。

 ベトナムでフォーを食べるとなると、賑やかな屋台や食堂で食べるイメージがありますが、この店では、下北沢の商店街を眼下に、ゆったりとソファでいただけます。日差しがたっぷりの店内は居心地がよく、ついついのんびりと長居してしまいそうです。

●SHOP INFO

店名:フォーミン 下北沢店 (PHO’MINH)

住:東京都世田谷区北沢2-15-15末広ビル2F
TEL:03-6450-7243
営:11:00~23:00 時短要請に伴い当面は20:00までの営業
休:不定休

●著者プロフィール

矢巻美穂(やまき・みほ)
国内外の旅行雑誌を中心に活動するカメラマンで、撮影から執筆・編集作業まで行う。単著としてネパール、台湾、ウズベキスタン、韓国などのフォトガイドブックを執筆。近著は『はじめて旅するウラジオストク』(辰巳出版)。また、YouTubeで「旅ちゃんねる MinMin Tour」をオープン。これまで取材に行って、本当に美味しかった店や行ってよかった人気スポットを紹介。