スポーツモデルじゃなくても軽量ボディとMTで楽しめる!

 クルマは好きだけど予算が足りない、というのはいつの時代の若者にも通じる悩みのひとつ。しかし残念ながら今のご時世、総額50万円以下で買えて維持費も安いスポーツカーはほぼないといっていい。

 とはいえ、「ないです」で終わらせてしまったのでは怒られてしまうので、“コミコミ50万円以内で維持費が安くスポーツ走行もできる国産車”をご紹介しよう。

1)スズキ・アルト(5代目)

 アルトのスポーツモデルと言えばアルトワークスと言いたいところだが、やはりスポーツモデルということもあって思いのほか高値。しかもこの世代のワークスは生産終了から年数が経過しているため、状態がよいものもなかなか見つからないというのが現状だ。

 そこでオススメしたいのが、なんでもない普通のアルトのMT車だ。600kg台前半という軽量ボディとMTを駆使して走れば、絶対的なスピードは低いものの十分スポーティな走りを楽しむことができるのだ。

 また、NAアルトは軽自動車の耐久レースなどではお馴染みの車種であり、チューニングパーツやノウハウも豊富で、サーキットでの自己ベストタイムを更新するために走り込むというようなストイックな使い方もできる。当然軽自動車だから維持費もタイヤ代も安く抑えることができるのは言うまでもない。

サーキット走行でも活躍するモデルも存在!

2)トヨタ・ヴィッツ(初代)

 ヴィッツといえば、トヨタのボトムラインを担う実用車という側面のほかに、モータースポーツのエントリーモデルという位置付けもされている。ヤリスとなった現在こそ、専用ボディと専用エンジンを持ったGRヤリスなどが存在し、高値の花となってしまったが、初代はそうではなかった。

 初代モデルにもRSグレードが用意され、モデリスタ製のターボなども設定されてはいたが、モータースポーツのベースとなったのは、もっとも非力なエンジンを搭載した1リッターモデルだったのだ。そのため、アルトと同じく速度域は低いものの、ロスのないドライビングテクニックを磨くのにはピッタリの車種と言える。

 総額50万円だとRSグレードも射程圏内ではあるが、極まれに元レースカーが市場に流れることもあるので、それを狙ってみるのもアリではないだろうか。

3)日産マーチ12SR

 今回紹介する車両のなかでは最もスポーティなモデルと言えるのが、先代マーチの12SRだ。オーテックがエンジン内部まで手を入れたファクトリーチューン車両だが、現在では多くの個体が総額50万円以下で見つけることができるのである。

 12SRはエンジンだけでなく、ボディ補強から足まわりまでくまなく手が入っているため、ノーマル状態でもスポーツ走行が可能という点も前2台とは大きく異なる点と言えるだろう(もちろんヘタっていてはダメだが)。

 言うまでもなくベースとなったマーチは日産を代表するコンパクトカーであるから、日常での使い勝手は折り紙つき。日頃のお買い物からサーキット走行まで1台でなんでもこなしてくれるというのもありがたい。そして、マーチもワンメイクレースが行われていたことでノウハウが豊富というのもオススメポイントのひとつである。