4人のヒーローを操作し、ショッピングモールからアイテムを盗み、脱出させる、リアルタイム協力型脱出ゲーム「Magic Maze」は、本来プレイヤー同士のコミュニケーションが重要な協力型ボードゲームでは珍しく「一切会話をしてはならない」というルールとなっています。会話を禁止された状態で協力型のボードゲームが果たして成立するのか、実際に遊んでみました。

マジックメイズ / Magic Maze(日本語版) | hemz

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◆内容物

Magic Mazeのパッケージはこんな感じ。ゲームは「ドワーフ、バーバリアン、魔法使い、エルフの4人パーティーがうっかり武器をなくしてしまったため、ダンジョン化したショッピングモールにある武器屋から武器を盗んで脱出する」という設定で、4人が武器を抱えて逃げるイラストが描かれています。プレイ時間は3分〜15分、プレイ人数は1人〜8人、対象年齢は8歳以上を想定。

中身はルール説明書と、モールタイル24枚・アクションタイル16枚・盗み/脱出タイル1枚・使用済みトークン12枚が収まった厚紙。

厚紙には切れ目が入っているので、カッターやハサミがなくても取り外しが可能。

モールタイルはこんな感じ。右下には番号が書かれており、シナリオによって使うモールタイルが決まっています。

なお、モールタイルの裏はこんな感じ。

アクションタイルは各プレイヤーの行動を決めるタイル。右下に書かれている数字はプレイヤー人数に対応しています。例えば以下のアクションタイルは、3人・4人・5人・6人・7人・8人で遊ぶときに使うアクションタイルです。

盗み/脱出タイルと使用済みトークンはこんな感じ。

3分間の砂時計、気付いてポーン、ヒーローコマ、プレイを記録するスコアシート。

砂時計やヒーローコマに貼るステッカー

◆準備

ゲームはルール説明書に書かれているシナリオ1から順番にプレイします。シナリオ7まで順番にクリアすると、少しずつルールが解放されていくので、チュートリアルとしてシナリオ1〜7を進めていくべき。「1a」と書かれているモールタイルを配置し、中央4コマに4つのヒーローコマを好きなように置きます。なお、1aと書かれているモールタイルにはN(北)を示す方角が書かれており、すべてのコマはこの方角に従って動きます。

今回は4人でプレイしたので、「4」が書かれたアクションタイルを各プレイヤーに1枚ずつ配ります。

ゲットしたアクションタイルをテーブルの上に置き、モールタイルを裏返して積み上げ、気付いてポーンと砂時計、盗み/脱出タイルを配置して準備OK。砂時計をひっくり返したらゲームスタートです。

Magic Mazeは基本的にプレイ中は会話が禁止となっています。また、指差しやボディランゲージのようなアクションも禁止。そのため、プレイヤーは黙々とコマを動かしていく必要があります。実際に全員が一切会話せずコマを動かす様子を、以下のムービーで見ることができます。

会話厳禁なリアルタイム協力脱出ゲーム「Magic Maze」をプレイする様子 - YouTube

ゲーム中、ヒーローコマは好きなタイミングで好きなだけ動かすことができ、アクションタイルに書かれている矢印はヒーローコマを動かせる方向を示しています。

たとえば以下の虫眼鏡アイコンが描かれたアクションタイルを持つプレイヤーは、どのヒーローコマでも南方向であれば好きな時に好きなだけ動かすことが可能。黄色のコマを1つ南に動かして、黄色い虫眼鏡アイコンの書かれたマスに移動させます。

虫眼鏡アイコンのあるマスに同じ色のコマが到着すると、ショッピングモールの探索に成功し、新しく引いたモールタイルをつなげるように設置することができます。ただし、探索で新しくモールタイルを設置できるのは、虫眼鏡アイコンが描かれたアクションタイルを持つプレイヤーだけです。

ヒーローコマは上下左右にしか動くことができず、壁がある場合は進むことができません。ただし、以下の画像のように、壁を乗り越えるようにエスカレーターが設置されていることがあります。

この場合はエスカレーターアイコンが描かれたアクションタイルを持つプレイヤーだけが、エスカレーターを使ってコマを移動させることが可能。

また、以下のアクションタイルは、西方向であればヒーローコマを自由に動かせるというものですが……

任意のワープポータルに、同じ色のヒーローコマをワープさせることができます。つまり、ヒーローコマをプレイヤーで役割分担しながら動かすというのがこのゲームのポイント。

複雑に入り組んだショッピングモールには各色につき1カ所だけ武器屋が用意されています。

すべてのコマを同じ色の武器屋マスに移動させたら、パーティーが武器の窃盗に成功。

しかし、4つの武器を盗んだ時点でショッピングモールの警報が作動するため、以後は全速力で脱出することが目的となります。ここで「盗み/脱出タイル」をひっくり返します。ワープアイコンにバツ印がついたことからわかるように、警報の作動により、ワープ装置は使えなくなってしまいました。

同時にワープアイコンのついたアクションタイルもひっくり返します。ここからは、ワープなしで脱出しなければなりません。

モールタイルのどこかにある脱出マスにヒーローコマすべてを移動させる必要があります。なお、シナリオ1をプレイしている以下の画像では、脱出マスは1つとなっていますが、シナリオを進めていくと「ヒーローコマは同色の脱出マスからしか逃げ出せない」という制限が加わるので難度が上がります。

脱出に成功したヒーローコマは、盗み/脱出タイル上の同色マークの上に配置します。

全部のコマが脱出に成功したらゲームクリア。

「コマを好きなタイミングで好きなだけ動かすことができる」というルールから「簡単にクリアできるのでは?」と思えるのですがこのゲームでは制限時間が設けられており、3分間の砂時計の砂がすべて落ちてしまうとゲームオーバーになってしまいます。

モールタイルには砂時計のマスがあり、ゲーム中にこのマスにヒーローコマを動かせば砂時計をひっくり返すことができます。例えば以下の画像では、緑色のヒーローコマを北に1つ動かせば、砂時計マスに到着することができます。

しかし、ゲーム中では会話が禁止されているため、「制限時間が残り少ないから緑色のヒーローコマを動かして!」と他プレイヤーに指示することができません。そこで活躍するのがこの「気付いてポーン」です。

ヒーローコマを北に動かせるプレイヤーが残り時間に気づいていないな、と思ったら、そのプレイヤーをじっと見つめながら、気付いてポーンを目の前に置いてアピールします。

気付いてポーンを置かれたプレイヤーは「なぜ自分の前に気付いてポーンが置かれたのだろうか……?」と考え、残り時間がわずかであることと砂時計マスの存在に気付くことができました。

そして砂時計がひっくり返され、制限時間が延長。さらにひっくり返してから次のアクションを行うまでは一時的に会話してもOK。ただし、砂時計で制限時間を計測しているので、ひっくり返すのが早すぎると残り時間が短くなってしまうことも。そのため、制限時間が切れるギリギリのタイミングを狙って砂時計をひっくり返す必要があります。

また、一度止まった砂時計マスには使用済みトークンが置かれ、二度と使えなくなってしまいます。ゲームが進行すればするほどショッピングモールがどんどん広くなっていき、コマの移動にも時間がかかってしまうため、コマの配置やタイミングを見計らわないと、砂時計を1度もひっくり返すことができずにゲームオーバーになってしまうこともあります。

以下のムービーは、残り時間わずかのタイミングで気付いてポーンでアピールするも、結局気付いてもらえずにゲームオーバーになってしまった場面。

会話が禁止されるボードゲーム「Magic Maze」で「気付いてポーン」を使って他プレイヤーにアピールする - YouTube

また、シナリオが進むとショッピングモールの警戒レベルが上がり、監視カメラが登場します。監視カメラは2台以上あると砂時計をひっくりかえすことができません。ただし、黄色のコマ(バーバリアン)だけは監視カメラマスに移動することで無効化することが可能。例えば以下の場面は、黄色のヒーローコマを監視カメラに動かしたいところ。ただし、黄色のコマの動線上に紫色のコマがおり、邪魔になっています。Magic Mazeでは他のヒーローコマを超えるように移動することはできないので、黄色のコマが監視カメラマスに到着するためには紫色のコマをどかさなければいけません。

そこで紫色のコマをワープで動かし…

黄色のコマを監視カメラマスに移動させることに成功しました。

以下のムービーは、監視カメラを無効化したにもかかわらず、引いてきたモールタイルで監視カメラマスが再び出現してしまい、時間切れでゲームオーバーになってしまった場面です。「どの色のコマをどこに動かすか」だけではなく、ゲームの進行に有利なモールタイルを引く「運」も脱出成功を左右する大きな鍵となります。

リアルタイムで協力して脱出を目指す「Magic Maze」の監視カメラが勝敗をわける場面 - YouTube

Magic Mazeは静かな部屋の中で砂時計をちらちらと見ながら、黙々と矢継ぎ早にコマを動かしていくため、非常にスリリングなプレイを楽しめます。ルールは「砂時計が落ち切るまでにヒーローゴマを脱出させる」という非常にシンプルなものですが、「会話や身振り手振りが禁止」というルールがあるため、他プレイヤーと十分に意思疎通できなくなり、難度が激烈に高くなっています。

相手に何かを伝えたい時の唯一の手段が「気付いてポーンを置く」ですが、気付いてポーンを置いて「何かしてほしいこと」が相手に伝わっても、「何をしてほしいか」までは伝わらないのがもどかしいところ。ゲーム中ではなかなか意志疎通がうまくいかず、同じプレイヤーの目の前に「コンコンコンコン」と何度も気付いてポーンを置かれ、プレイヤー同士がプレッシャーを与えあうという状況になったこともありました。しかし、難度が高い分、ゲームクリア時に得られる達成感はかなりのもの。

また、「4つのヒーローコマをリアルタイムで同時に動かす」という特徴から、「自分が今何ができるのか」を考えながら場全体をくまなく観察する必要があり、じっくり長考しているとあっという間に制限時間が尽きてしまいます。そのため、スムーズにクリアするためにはかなりの条件反射速度が求められると感じました。

1回のプレイ時間はだいたい6分〜8分といったところで、サクサクとプレイできます。そのため、ゲームオーバーになっても「よし、次は頑張ろう」と気持ちを切り替えて再チャレンジ可能。また、ルール説明書にはさまざまな制限や変則ルールも用意されているため、何度遊んでも新鮮な気持ちでプレイできる仕様となっています。

Magic Mazeの日本語版はAmazon.co.jpで取り扱われており、記事作成時点では税込4378円で購入可能です。

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