「立派な会議室」「コーヒーも用意された」 3年半ぶり政策対話、韓国メディア「待遇」に一安心
いわゆる「ホワイト国」除外をはじめとする輸出管理問題をめぐり、日韓の局長級協議「政策対話」が2019年12月16日、経済産業省で開かれた。「政策対話」の開催は約3年半ぶりで、19年7月の輸出管理強化以降初めて。政策対話は今後も継続し、次回はソウルで開くことで合意したものの、議論が前進したかについては「今の時点では申し上げられない」(梶山弘志経産相)と、予断を許さない状況だ。
この点は韓国メディアも同様に報じている。だが、韓国メディアが特に着目しているのが7月に行われた事務レベル会合との待遇の差だ。7月は「ほこりいっぱいの倉庫」だったものが、今回は「立派な会議室」になった、というものだ。日本は「形式を重視する」ため、「このような変化を見せたのは意味がなくはない」(中央日報)というのだ。
韓国側憤慨させた「ほこりがいっぱいの倉庫」
とりわけ中央日報は、この問題を「ほこりがいっぱいの倉庫vs立派な会議室」の見出しつきで大きく取り上げた。7月の会合が行われた会議室は、後ろには椅子が積んであり、「床には黒ほこりがたまっていた」。ホワイトボードには
「輸出管理に関する事務的説明会」
とプリントアウトされた紙がマグネットで貼り付けられ、同紙曰く「日本は『会議』という表現も拒否」。日本側の対応を「『おもてなし』の精神を掲げて東京五輪を誘致した日本の態度とは差が明確だった」と非難した。
さらに、7月の会合では、部屋に入ってきた韓国側の代表団に対して「日本側代表団は、じっと座っていた。あいさつもしなかった」として、日本側が「冷遇する姿を意図的に演出した」とした。
今回は「外交儀典上欠礼はなかった」
これに対して、今回の協議では、局長級と会議のレベルが上がったこともあるが、会議室の名前も「特別会議室」で、「外交上の儀典に合った」場所が用意され、内部も「床に汚れも、積み上げられたプラスチック製の椅子もなかった。コーヒーなど飲み物も用意された」といった具合に変化。日本側代表団は「会議室のドアの前に立って韓国側代表団を待っていた」のに加えて、韓国側と握手して「グッドモーニング」と挨拶を交わしたことから、「外交儀典上欠礼はなかった」とした。
ソウル新聞は、
「特に日本の代表団は、韓国代表団が会議場に着席した後、席に座るなど終始丁寧な態度を見せた」
とも指摘。「倉庫のように見える小さな会議室」で会合が行われた7月とは「180度変わった態度」で、記事冒頭では「関係改善の可能性に関心が集まっている」と期待感をにじませた。
12月24日に中国の成都(四川省)で日中韓首脳会談が予定されている。同紙はこの日の社説で、首脳会談の場で「進展した成果をなすのが望ましい」と訴えている。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)