日本統治時代から残る基隆市内の防空壕=同市文化局提供

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(基隆 21日 中央社)北部・基隆市に日本統治時代から残る立ち入り禁止の防空壕が21、22の両日に特別公開され、「防空壕映画館」と銘打った映画上映会が催される。同市政府文化局は、防空壕の再活用について考えるきっかけになればと期待を示し、参加を呼び掛けている。

日本統治時代、台湾の玄関口として重要な役割を担った港湾施設や海軍基地が建設された同市。太平洋戦争が始まると米軍の標的となり、度重なる空襲に見舞われることになった。このため、戦争末期までに多くの防空壕が設けられ、その密度は台湾最大とされる。同市の年鑑によれば、1973年の時点で673カ所の防空壕が確認されている。地元では近年、これらの防空壕を観光スポットにしようとする気運が高まっていた。

防空壕映画館は、毎年9月の第3土、日曜日に欧州各地の文化施設が特別公開される「欧州文化遺産の日」に呼応した台湾の「全国古跡デー」の一環。交通部(交通省)航港局が管理する基隆港周辺の防空壕13カ所のうちの2カ所で戦争映画「ダンケルク」と「硫黄島からの手紙」を上映する。上映時間は午後1時30分と同4時の2回。同市文化局のフェイスブックから予約できる。

(王朝ギョク/編集:塚越西穂)