CBS MarketWatchによると、3日の米株式市場は、米労働省が3日に発表した1月の雇用統計で、失業率が5年ぶりの低水準となり、雇用市場の改善が示される一方、同月の平均時給賃金が市場予想を上回って上昇、賃金インフレの可能性が示されたことから、FRB（連邦準備制度理事会）が再度利上げを行うとの観測が高まって売られた。米インターネット検索大手グーグルや、米インターネット小売大手アマゾン・ドットコムが発表した決算が振るわなかったことも材料視された。

　　ダウ平均株価指数は、前日比58.36ドル（0.5％）安の1万0793.62ドルと続落。また、ハイテク株のウェートが高いナスダック総合株価指数は18.99ポイント（0.8％）安の2262.58、S&P500株価指数も6.81ポイント（0.5％）安の1264.03とそれぞれ続落して引けた。週間では、ダウは1％安、ナスダックは1.8％高、S&Pは1.5％安だった。

　　米労働省が発表した1月の失業率は、市場予想の4.9％を下回る4.7％となり、2001年4月以来5年ぶりの低水準となった。また、同月の平均時給賃金は、市場予想の前月比0.3％増を上回る0.4％増となっている。同月の非農業部門就業者数（軍人を除く、季節調整済み）は、市場予想の前月比24万8000人を下回る19万3000人の増加となったものの、過去2カ月分が8万1000人増と市場の予想以上に上方修正された。

　　また、同日発表された経済指標では、米ISM（サプライマネジメント協会）が発表した1月の非製造業景況指数は、市場予想を下回る56.8となった。前月の61.0から低下したものの、34カ月連続で非製造業の景況拡大が示された。米商務省が同日発表した2005年12月の米製造業新規受注指数は、市場予想の前月比0.9％増を上回る1.1％増となった。

　　個別銘柄では、アマゾンが前日比10.3％安の38.33ドル、同様に決算が不振だったビデオゲームソフト世界最大手の米エレクトロニック・アーツ（EA）も、同0.8％安の53.14ドルで引けた。一方、米医薬品大手メルクは、関節炎治療薬「バイオックス」の薬害訴訟が延期されたと伝えられたことを受け、同1.7％高の34.39ドルで、米食品大手のコナグラ・フーズは、冷凍食肉事業を売却する方針を発表したことから、同2.0％高の21.15ドルでそれぞれ引けた。【了】