2日放送、テレビ朝日「報道ステーション」では、スポーツキャスターの松岡修造氏がテニスのロジャー・フェデラーにインタビュー。一時の低迷を乗り越えた

ユニクロとグローバルアンバサダー契約を結び、来日していたフェデラーに取材した松岡氏は、まずは「Sorry」と謝罪。2012年に「ロジャーは今年が最後になる」と指摘していたことを謝った。

だが、フェデラーは松岡に「見立ては間違っていなかった」と返した。実際、2012年を最後にグランドスラムで4年間優勝できなかったからだ。決勝進出や別の大会で優勝することはあったが、フェデラーは「自分のテニスに何かが足りなかったのかもしれない」と振り返る。

2016年には半月板損傷で離脱を余儀なくされた。子どもたちをお風呂に入れようと、浴槽にお湯をためようとして振り向いた時に、ひざに違和感を覚えたという。手術を受けたフェデラーのこのシーズンは実質的に終わってしまった。

しかし、フェデラーは「ケガのおかげでテニスと考え方をリセットすることができ、プレッシャーから解放された」という。大会に出場できることへの喜びを感じるようになり、「プレッシャーが軽くなったことで、重要な場面でより自由にプレーできるようになった」と明かす。

10年以上にわたりトップクラスに君臨していたフェデラーにとって、初めてテニスから離れた経験が復活への転機となったのだ。松岡氏が「ケガをして良かったということ?」と尋ねると、フェデラーは「そのとおり」と返答。子どもたちに感謝しなければいけないと述べた。

復帰戦となった2017年の全豪オープンでは、決勝でラファエル・ナダルと対戦。最終セットで先にブレークを許してしまう。「がっかりするのか、チャレンジに奮い立つのか、岐路に立たされた場面」だ。だが、フェデラーは「きっと局面を打開できると前向きに考え、おそらく人生で最もパーフェクトな25分間を戦った」。そして、5年ぶりとなるグランドスラム優勝を果たしたのだ。

復活を遂げ、37歳になっても衰え知らずの強さを見せているフェデラーは「最も重要なことは自分がよきお手本の存在であること」と話す。「プレーや振る舞い、インタビューの話し方、子どもたちとの接し方が好き…そう見られる存在。そこが私にとって一番大事」と力強く語った。