ドーピング? 廊下での行為が話題を集めたロシア代表、嗅いでいたのは…

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 ワールドカップベスト8で惜しくも破れた開催国のロシア代表。大会中にテレビ中継で映し出されたある“行為”がドイツ国内で話題を呼んでいる。7月9日の『ビルト』がその詳細を伝えた。

 テレビ中継では、ロッカールームから出てきたロシア代表の選手たちが自分の手のニオイを嗅いだり、手に持った濡れた綿を鼻に近づけながらピッチに向かっている姿が繰り返し映し出された。

 同紙はドーピング専門家のフリッツ・ゼルゲル氏に意見を伺いながら、ロシア代表選手たちが嗅いでいたものを突き止めた。ゼルゲル氏によれば、選手たちが手に持っていたのは「薄めたアンモニアに浸した綿」だという。

 アンモニアの使用は公式のドーピングリストには入っていない。だが、アンモニアの臭いを嗅ぐと、それと似た効果を得られるため主に重量挙げなどで使用されている。

「アンモニアの臭いには、刺激によってエネルギーを得られるような効果があります。疲労を感じるのを遅らせ、パフォーマンスの向上に役立つのです。本来なら、ドーピングの定義に該当するものでしょう」

 ゼルゲル氏は続けて、「サッカー界では、禁止されていない範囲で何かしら効果があるものは全て試されています。“スヌース”もドーピングと似たような効果があります」と話した。

 “スヌース”とは、噛み煙草(ニコチン)とコーヒー(カフェイン)を詰めたパックを上唇の裏に含んで使うもので、主にアイスホッケーで使用されていたもの。昨季の欧州チャンピオンズリーグ準決勝バイエルン対レアル・マドリーの第1戦でフランス人FWのカリム・ベンゼマが服用していたことで注目を集めていた。

 ニコチンには集中力を高め、反応速度を高める効果があることから、イングランド代表FWジェイミー・ヴァーディやベルギー代表MFのアドナン・ヤヌザイなど多くのスポーツ選手が使用。しかし、発がん物質が含まれ、中毒性も高いため、健康上のリスクも大きいとされている。

 専門家のゼルゲル氏は、ルールの範囲内とはいえ「グレーゾーン」で行われている暗黙の了解に警笛を鳴らした。