中田英寿氏が20年ぶりに古巣・ペルージャを訪問【写真:Getty Images】

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セリエA昇格プレーオフを控えたペルージャを訪問 「日本の僕の家に戻るようだ」

 セリエBのペルージャは今季8位でシーズンを終え、現地時間6月3日にヴェネツィアとのセリエA昇格プレーオフ準々決勝を戦う。

 大一番を前に、1998年から約1年半所属した元日本代表MF中田英寿氏が20年ぶりに古巣を訪問。「ペルージャはいつも心にある」と話したという。ペルージャ専門メディア「TifoGrifo.com」が報じている。

 中田氏は1998年にベルマーレ平塚(現・湘南ベルマーレ)から、当時セリエAのペルージャへ完全移籍。33試合10得点を記録するなどイタリア挑戦1年目で結果を残し、その後の飛躍につなげた。

「ペルージャはいつも僕の心にある。ペルージャに戻って来る時は、日本の僕の家に戻るようだ。新たにクーリ・スタジアムに入って僕は感動した。ペルージャに感謝している」

 かつての本拠地レナト・クーリを訪問した際にこう語ったというが、セリエA昇格を懸けた一戦は中田氏にとっても縁深い一戦だ。ペルージャに移籍した1998年、2ゴールを挙げるセンセーショナルなデビューを飾ったユベントス戦では、現在ヴェネツィアを率いる元イタリア代表FWフィリッポ・インザーギ監督が相手にいた。そして、現在ペルージャは当時ラツィオでプレーしていた元イタリア代表DFアレッサンドロ・ネスタ監督が指揮を執っている。

「明日はネスタを応援するよ。僕がプレーしていた時はセリエAだったから、セリエBのペルージャは知らないからね。正直言って、ほとんどサッカーを観ていない。ペルージャにいた時も観ていなかった。でも、明日は試合を観てみよう」


「言葉も、雰囲気も、人々も、食事も、忘れられない」

 現在はサッカーシーンから離れている中田氏。ペルージャでは公式戦13得点を決め、その後ASローマにステップアップ。そして、スクデットを獲得した。

「全てのゴールがとても大事だった。ユベントス戦でのゴール、オーバーヘッド、どれも大切なゴール、このゴールが他のゴールよりも重要というのはない。みんな大事なゴール。ゴールよりも試合前の雰囲気だったり、継続していくうえで経験の方が大事」

 中田氏は、欧州でのキャリアの第一歩となった日々をこう振り返った。

「サッカー選手として実現したことは、ペルージャなしにはできなかったことだ。全てが重要だった。言葉も、雰囲気も、人々も、食事も、忘れられない。日本国外ではペルージャが僕のキャリアで一番重要な経験だった」

 古巣への感謝の思いを語った中田氏。ペルージャの勝利の瞬間を目撃できるだろうか。


(Football ZONE web編集部)