女子レスリング・伊調馨に対するパワハラがあったとして、レスリング関係者が内閣府・公益認定等委員会に告発状を提出した問題について、内閣府は関係者への聴取を行うとし、日本レスリング協会も第三者機関に聞き取り調査を委託するとした。

加熱する報道も重なりあってドロ沼化の様相を呈している今回の問題だが、8日、TBS「ビビット」に出演した拓殖大学レスリング部監督で元格闘家・須藤元気氏は「主役は選手」と問題の早期解決を訴える。

まずは伊調が満足な練習をできていない現状について、「今月、来月にでも始めていかないと(東京五輪出場を目指すのであれば)日本の女子の層は厚いので勝てる保証もないですね、国内で」という須藤氏。その一方で今回の告発については、「(東京五輪に向けて)各々の思惑が出てきた」と分析しつつ「逆に良かった」とも――。

その真意を「大なり小なり何かしらレスリング協会に問題があって、東京オリンピックぎりぎりになってこういう問題になったら、選手に影響がすごい出ると思うので2年ある東京オリンピックまで早めに問題とか膿を出したほうがいい」と持論を展開すると、「一番大切なのは伊調選手がこの告発状について『一切関係ない』って唯一コメントしているので、伊調選手の言葉を一番大切にしていかないと。なんか話が複雑になってきている」と懸念を示した。

また、問題の根底にあると一部で報じられている、レスリング協会内の権力争いについて、「なんらかの権力闘争はあると思います」と見解を述べた須藤氏だが、それは「どの組織でもありえること」と前置きも。「うまく落としどころを作って仲良くやっていくのが成熟した組織だったり社会。そういったところがレスリング界、難しいところ」と話すと、「主役が選手だっていうのは忘れてはいけない。あくまで僕も含めて監督やコーチ陣はサポートであって、このサポート役がゴチャゴチャやってたら話にならない」と訴えた。