仕事が残っているから今日は寝ていられない、試験があるから今夜は詰め込みだ、ということで徹夜を敢行しているあなた。ごくたまに徹夜が余儀なくされることもあるかもしれませんが、あまり頻繁に徹夜をしていると身も心もボロボロになってしまいます。徹夜による心身へのダメージはわたしたちが考えているよりずっと大きいもの。徹夜するとどのようなダメージがあるのか、しっかり頭に入れておきましょう。

頭部への打撃によるダメージに匹敵?!

スウェーデンのウプサラ大学にて、徹夜による脳への影響を調べた研究者によると、徹夜することで生じる脳への影響は、頭部に打撃を与えた後に起こる変化に匹敵することが分かったようです。わたしたちが頭部打撃により深刻なダメージを喫したとき、本来脳に存在しているNSEとS-100Bという分子が血中に通常よりも濃く存在するようになります。果てには脳の神経細胞構造や機能が神経細胞が死滅することで失われていきます。このプロセスが深刻化した病気としてはアルツハイマー病があります。わたしたちが徹夜をすると上記のような、NSEとS-100Bの血中濃度増加というプロセスが起こることがわかっています。つまりは徹夜をしたとき、身体は頭部打撃で脳が損傷したときと同じ異変をきたしているということですね。これを聞くだけでも非常にゾッとする話です。

酒気帯び運転しているときと同じレベルになる?!

よく徹夜をしても無駄、作業効率が下がるだけといいますが、まさにその通りです。わたしたちはそもそも起床の13時間後から作業能率がだんだんと低下し始め、17時間を過ぎたところで飲酒運転に匹敵する、血中アルコール0.05%の状態と同程度のレベルまで低下するようです。酒気帯び運転をする人が事故を起こすのと同様で、徹夜で睡眠不足の運送業者の人が事故を起こすことも多いですよね。徹夜は飲酒に匹敵するほど脳の働きを低下させているということです。

いよいよひどくなると幻覚症状が

徹夜も2日や3日連続でしているといよいよひどくなり、幻覚症状をきたすようになるようです。幻覚症状とは見えないものが見えたり、ありもしない声を聞いたりといった症状です。ちなみにアメリカで行われた不眠記録への挑戦にて8日間起き続けた男性がいるのですが、その男性は時折立ち会ってくれていた彼の健康維持を任された担当医師のことを、自分を葬ろうとする葬儀屋だと思いこむ妄想にとりつかれたり、時計が人の顔をしてこちらを見ているなどといった幻覚にとらわれていたことがわかっています。ちなみに睡眠不足は脂肪リスクを上昇させることもわかっています。これほどの恐ろしい影響をきたすことがわかっているのに、あなたはまだ徹夜を敢行しますか?(睡眠不足がもたらす2つのデメリット )も要チェックです。


writer:サプリ編集部