攻守に計算通り、大垣日大が津田学園に大勝修行 恵大(大垣日大)

 前日の雨で順延となった試合が組まれたが、この日は雨合上がりの好天に恵まれた。伊勢湾を渡る風も少し強いが、心地よくグラウンドを包んでいた。グラウンド状態も、やや強かった前日の雨ではあったが、いい湿り具合となっていたようだ。

 大垣日大は修行 恵大君、津田学園は水谷 翼君と、両エースナンバーを背負った投手が先発した試合は、まずは、両投手の投げ合いで始まった。1〜2回の試合を見ていたら、3点前後の競り合いの試合になっていくのではないかと思われた。

 ところが3回、大垣日大が一死から1番岡田 宗祐君が二塁打すると、続く都築 雄紀君の中前打で先制。さらに、3番石川 隼也君の中越二塁打で都築君も帰って2点目。なおも攻める大垣日大は、暴投で三進していた石川君を4番宮坂 元規君も一二塁間を破ってこの回3点目を挙げた。

 4回にも大垣日大は、途中出場の山村 悠斗君の三塁打から始まって、浦野 虎ノ介君、修行君の連続安打に、都築君二塁打。そして留めとして石川君の2ランで大量8点をリードした。

 大垣日大はさらに、6回にも岡田君、都築君の連続二塁打などをはじめとして5連打で、2人目河村 信吾君を攻略してなおも4点が入った。

 大量リードもあって、大垣日大の修行君はスイスイと投げて、6回を3安打三塁へも進めさせない投球での完封だった。実は、つい数日前は風邪で体調を崩して練習もままならない状態だったという。それだけに大垣日大の阪口慶三監督は、「とても病み上がりの投球とは思えないいい内容だった。ほとんど計算通りの投球」と、評価していた。

 また、打線に関しても、「出来る出来ないではなくて、目標としては毎日練習の中で1000本のスイングと、1000回腹筋で体力アップを図っている」と言うが、その成果が十分に出せた内容だったと言っていいだろう。

 2年連続の東海大会出場の津田学園は、今年で創立30周年を迎えるというが、それを機にユニフォームを従来の黄色を基調としたものから、スクールカラーでもある深いグリーンを基調として漢字で「津田学園」と表記するものにモデルチェンジした。10年ごとにユニフォームデザインを変えていっているということだが、インパクトのあった“黄色”からイメージチェンジすることで、また新たなチームの歴史をスタートさせることになる。

 自宅の一部を改装しながらも良性を下宿生として24人も開け入れて、自信が寮監代わりになっている津田学園の佐川 竜朗監督。生活の面倒を見ながら、選手と共に甲子園という夢に挑んでいる。

「2年連続で、この大会に出場させていただいて、夏につながる戦いをしていきたい」という思いだが、大敗の中にも、「甲子園レベル学校と対戦すると、ちょっとしたところから、つけ込まれていきます。主将でもある(エースの)水谷は、悔しい思いをしたでしょうけれども、それを生かしていってほしい」と、夏へ向けての気持ちを作っていくことの大事さを改めて実感していた。

(取材・写真=手束 仁)

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