法隆寺国際vs大和広陵
新木翔馬(法隆寺国際)
大和広陵と法隆寺国際の公立実力校同士の一戦。両チームの監督同士が大学時代にバッテリーを組んでいたということもあり普段から練習試合を組む間柄で、予想通りのロースコアゲームとなった。
前半は大和広陵の比嘉 裕樹(3年)と、法隆寺国際の左腕・新木 翔馬(3年)の両投手による投げ合い。均衡が破れたのが4回表。法隆寺国際は先頭の2番・辻垣内 聖也(3年)が三塁打を放つと、3番・藤澤 勇輔(2年)のライトへのファウルフライでタッチアップし生還。これで1点を先制すると、四球から再びチャンスを作り、6番・松田 拓也(3年)のタイムリー二塁打でもう1点を加えた。
8回にも1点を追加してもらった新木は、9回に大和広陵の5番・村田 誠実(3年)に本塁打を浴びて惜しくも公式戦初完封を逃したが、4安打1失点完投で比嘉との投げ合いを制した。
｢最後は少し完封を意識して球が甘くなってしまいました｣と苦笑いしながら振り返った新木は、昨秋は背番号1をもらいながら下級生投手にマウンドを譲り悔しい思いをしていたという。｢下半身強化をテーマに、54キロだった体重を60キロまで増やしました｣とパワーアップし、この日のピッチングに繋げた。｢まだコントロールが悪くなる時がある｣と夏へ向けた課題も口にした左腕の今後のピッチングに注目だ。
さて、春の選抜の優勝旗は奈良にもたらされた。これが県内の他のチームにも良い刺激となっている。法隆寺国際の西岡 嘉定監督に話を聞いても、｢全国優勝チームが今、自分達の県にいるんだ｣ということをミーティングで話しているそうだ。他にも同じような話をしている監督や指導者がいることだろう。
県勢の甲子園優勝は1997年春の天理以来で、98年4月以降に生まれた今の高校生は当時のことを知らない。それだけに全国優勝校・智辯学園を目標にして県全体のチームが大きくレベルアップしていくことに期待したい。
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