箱選びからおかずまで、4月からの「お弁当」ライフを楽しもう!
近年、世界的に「Bento」が大ブームなんだそうです。確かに、スペインでは家に帰ってご飯を食べてシエスタでお昼寝、中国やインドではご飯は温かいものをというのが常識なので、日本人の弁当に対するこだわりようは世界的に見るとなかなかユニークなのかもしれませんね。今回はそんな「弁当」の魅力を、TOKYO FMの番組の中で専門家の方々に教えてもらいました。
(TOKYO FM「ピートのふしぎなガレージ」3月19日放送より)
◆「貴方に合うお弁当箱がきっとあります」
〜料理家 野上優佳子さん
お弁当は世界中にあります。ただ、日本は見た目や味にこだわって、コンパクトにまとめる文化が特徴的です。お弁当箱も天然の木材やアルマイト、ステンレス、プラスチック、シリコン樹脂など、本当にさまざまな素材のお弁当箱があって、それらを生活のシーンに合わせて使う幅広さは日本ならではだと思います。
営業の人なら公園のベンチでお弁当を食べることもあるでしょう。そういうときは片手で持てるお弁当箱が向いていると思います。ビジネス鞄の底よりも広いお弁当箱だと傾いてしまうので、底はスリムにして高さで量を稼いだり。寒いところで作業する人なら魔法瓶機能で保温が効くお弁当箱がありがたいでしょう。こんなさまざまなニーズに応える弁当箱が日本には種々あります。
最近は丼型のお弁当箱も流行りです。このお弁当箱の最大の利点は片手で持って食べられること。丼の形をしていても中が二段になっていて、ご飯とおかずは別々に収められるような工夫が施されていたりします。
「IoT弁当箱」はスマホと連動する最新の弁当箱です。登録した情報をもとに、おすすめレシピや食べたモノのデータを蓄積してくれます。お弁当は外で食べるのでGPS機能との相性も良いですし、健康管理という面からもIT技術と連携させる意味があるでしょう。さらにIoT弁当箱を持っているユーザー同士をつないで「一緒にお弁当でも」なんてアイデアもあるそうです。まだ試作品段階で市販には至っていないのですが、こういったIoT弁当箱がこれからどんどん出てきそうです。
◆「お弁当作りは朝なので手間を省いて」
〜タレント 渡辺美奈代さん
私がこだわっているのは見た目です。赤・黄・緑の3色を必ず入れるようにすると彩りが綺麗に見えます。緑は大葉やブロッコリーやピーマンなどのお野菜系。赤はトマトやラディッシュ、ニンジンなどを使い、黄色は卵やたくあんで。彩りに気を配ると栄養のバランスも自然に良くなります。
夏場は子どもが汗をたくさんかいて塩分が足りなくなるので、ちょっと塩加減を多めにして味を濃くするような工夫もしました。蓋に保冷剤が入っているお弁当箱で冷麺や冷やし中華のお弁当も作りましたね。スープは別の容器に入れて食べるときにかけるんですが、ビビン麺や冷麺は評判が良かったので何度も作りました。
春先だったら大きめの曲げわっぱに一口サイズの手まり寿司やおにぎりを入れ、彩りを整えるとお花畑みたいな感じになります。ポテトサラダはチーズをのせてトースターで焼けばグラタンふうになりますし、ジャガイモひとつとってもオムレツや塩炒めなどバリエーションを考えて作ります。
揚げ物が好きならメカジキのフライはいかがでしょう。切り身を買ってきて一口サイズに切り、小麦粉と卵とパン粉を付けて揚げるだけ。パン粉にカレー粉やパセリやチーズを入れれば簡単にアレンジできます。ビニール袋にパン粉を入れて、そこにメカジキを入れたらキッチンが汚れません。朝なので手間を省けるところは省くのがコツです。
◆「口内調味が日本の食文化です」
〜「分とく山」総料理長 野崎洋光さん
濃い味のおかずを白いご飯で薄めて食べることを「口内調味」と言います。焼き魚と白いご飯、卵と白いご飯、揚げ物と白いご飯など、自分の好きなように口の中で調合しながら食べるのが日本人特有の食べ方です。舌が5つしかうま味を味わえないのに20のうま味が入ってきたら「苦い」「渋い」みたいな味がはっきりしなくなってしまいます。和食は歌舞伎のような厚化粧では困るんです。
お弁当の場合は「冷めてから食べる」のが一番の特徴です。だから少し濃いめの味付けが必要になります。しかもお弁当は汁気もありません。お吸い物は0.8%くらいの生理食塩水と同じくらいの濃さですが、お弁当だと汁気がないぶん、1.5%くらいのお吸い物の倍の濃さが必要になります。だから白いご飯と口の中で混ぜるんです。
お弁当に意外と向いていないのは牛肉です。冷めると脂肪が固まってしまうので、高いお肉ほどお弁当ではまずくなります。もし牛肉を使うのであれば薄切りの赤身肉に茹でたフキを巻いて、フライパンで転がしてみてはいかがでしょう。みりん5、お酒3、醤油1〜1.5くらいで合わせたタレをフライパンで煮詰めて照り焼きにすればおいしくいただけます。
卵焼きは本来、出汁を入れないほうがおいしいんですが、お弁当はちょっと濃いめの味がいいので出汁を入れます。ただ、わざわざ出汁を取るのも大変なので、牛乳か豆乳かトマトジュースで大丈夫です。牛乳なら水で2〜3倍に割って、薄口醤油と砂糖で味を付けて卵焼きを焼いてみてください。カツオと昆布だけが出汁ではありません。うま味が出汁なんです。
TOKYO FMの「ピートのふしぎなガレージ」は、《サーフィン》《俳句》《ラジコン》《釣り》《バーベキュー》などなど、さまざまな趣味と娯楽の奥深い世界をご紹介している番組。案内役は、街のはずれの洋館に住む宇宙人(!)のエヌ博士。彼のガレージをたまたま訪れた今どきの若者・新一クンと、その飼い猫のピートを時空を超える「便利カー」に乗せて、専門家による最新情報や、歴史に残るシーンを紹介します。
あなたの知的好奇心をくすぐる「ピートのふしぎなガレージ」。3月26日(土)の放送のテーマは《フォークソング》。お聴き逃しなく!
【あわせて読みたい】
★給料日のあなたの「プチ贅沢」は、何ですか?(2016/3/24) http://tfm-plus.gsj.mobi/news/sq6FDuIuio.html
★今年はどんな気持ちで、桜を見ますか?「美しく儚い、桜の句」(2016/3/24) http://tfm-plus.gsj.mobi/news/gpJcqPREGc.html
★鈴木亜美と専門家がおすすめ 美味しい「イチゴ」の味わい方(2016/3/19) http://tfm-plus.gsj.mobi/news/elyBr4pfzz.html
<番組概要>
番組名:「ピートのふしぎなガレージ」
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国37局ネット
放送日時:TOKYO FMは毎週土曜17:00〜17:50(JFN各局の放送時間は番組Webサイトでご確認ください)
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/garage
(TOKYO FM「ピートのふしぎなガレージ」3月19日放送より)
4月からの「お弁当」ライフを楽しもう!
◆「貴方に合うお弁当箱がきっとあります」
〜料理家 野上優佳子さん
お弁当は世界中にあります。ただ、日本は見た目や味にこだわって、コンパクトにまとめる文化が特徴的です。お弁当箱も天然の木材やアルマイト、ステンレス、プラスチック、シリコン樹脂など、本当にさまざまな素材のお弁当箱があって、それらを生活のシーンに合わせて使う幅広さは日本ならではだと思います。
営業の人なら公園のベンチでお弁当を食べることもあるでしょう。そういうときは片手で持てるお弁当箱が向いていると思います。ビジネス鞄の底よりも広いお弁当箱だと傾いてしまうので、底はスリムにして高さで量を稼いだり。寒いところで作業する人なら魔法瓶機能で保温が効くお弁当箱がありがたいでしょう。こんなさまざまなニーズに応える弁当箱が日本には種々あります。
最近は丼型のお弁当箱も流行りです。このお弁当箱の最大の利点は片手で持って食べられること。丼の形をしていても中が二段になっていて、ご飯とおかずは別々に収められるような工夫が施されていたりします。
「IoT弁当箱」はスマホと連動する最新の弁当箱です。登録した情報をもとに、おすすめレシピや食べたモノのデータを蓄積してくれます。お弁当は外で食べるのでGPS機能との相性も良いですし、健康管理という面からもIT技術と連携させる意味があるでしょう。さらにIoT弁当箱を持っているユーザー同士をつないで「一緒にお弁当でも」なんてアイデアもあるそうです。まだ試作品段階で市販には至っていないのですが、こういったIoT弁当箱がこれからどんどん出てきそうです。
◆「お弁当作りは朝なので手間を省いて」
〜タレント 渡辺美奈代さん
私がこだわっているのは見た目です。赤・黄・緑の3色を必ず入れるようにすると彩りが綺麗に見えます。緑は大葉やブロッコリーやピーマンなどのお野菜系。赤はトマトやラディッシュ、ニンジンなどを使い、黄色は卵やたくあんで。彩りに気を配ると栄養のバランスも自然に良くなります。
夏場は子どもが汗をたくさんかいて塩分が足りなくなるので、ちょっと塩加減を多めにして味を濃くするような工夫もしました。蓋に保冷剤が入っているお弁当箱で冷麺や冷やし中華のお弁当も作りましたね。スープは別の容器に入れて食べるときにかけるんですが、ビビン麺や冷麺は評判が良かったので何度も作りました。
春先だったら大きめの曲げわっぱに一口サイズの手まり寿司やおにぎりを入れ、彩りを整えるとお花畑みたいな感じになります。ポテトサラダはチーズをのせてトースターで焼けばグラタンふうになりますし、ジャガイモひとつとってもオムレツや塩炒めなどバリエーションを考えて作ります。
揚げ物が好きならメカジキのフライはいかがでしょう。切り身を買ってきて一口サイズに切り、小麦粉と卵とパン粉を付けて揚げるだけ。パン粉にカレー粉やパセリやチーズを入れれば簡単にアレンジできます。ビニール袋にパン粉を入れて、そこにメカジキを入れたらキッチンが汚れません。朝なので手間を省けるところは省くのがコツです。
◆「口内調味が日本の食文化です」
〜「分とく山」総料理長 野崎洋光さん
濃い味のおかずを白いご飯で薄めて食べることを「口内調味」と言います。焼き魚と白いご飯、卵と白いご飯、揚げ物と白いご飯など、自分の好きなように口の中で調合しながら食べるのが日本人特有の食べ方です。舌が5つしかうま味を味わえないのに20のうま味が入ってきたら「苦い」「渋い」みたいな味がはっきりしなくなってしまいます。和食は歌舞伎のような厚化粧では困るんです。
お弁当の場合は「冷めてから食べる」のが一番の特徴です。だから少し濃いめの味付けが必要になります。しかもお弁当は汁気もありません。お吸い物は0.8%くらいの生理食塩水と同じくらいの濃さですが、お弁当だと汁気がないぶん、1.5%くらいのお吸い物の倍の濃さが必要になります。だから白いご飯と口の中で混ぜるんです。
お弁当に意外と向いていないのは牛肉です。冷めると脂肪が固まってしまうので、高いお肉ほどお弁当ではまずくなります。もし牛肉を使うのであれば薄切りの赤身肉に茹でたフキを巻いて、フライパンで転がしてみてはいかがでしょう。みりん5、お酒3、醤油1〜1.5くらいで合わせたタレをフライパンで煮詰めて照り焼きにすればおいしくいただけます。
卵焼きは本来、出汁を入れないほうがおいしいんですが、お弁当はちょっと濃いめの味がいいので出汁を入れます。ただ、わざわざ出汁を取るのも大変なので、牛乳か豆乳かトマトジュースで大丈夫です。牛乳なら水で2〜3倍に割って、薄口醤油と砂糖で味を付けて卵焼きを焼いてみてください。カツオと昆布だけが出汁ではありません。うま味が出汁なんです。
TOKYO FMの「ピートのふしぎなガレージ」は、《サーフィン》《俳句》《ラジコン》《釣り》《バーベキュー》などなど、さまざまな趣味と娯楽の奥深い世界をご紹介している番組。案内役は、街のはずれの洋館に住む宇宙人(!)のエヌ博士。彼のガレージをたまたま訪れた今どきの若者・新一クンと、その飼い猫のピートを時空を超える「便利カー」に乗せて、専門家による最新情報や、歴史に残るシーンを紹介します。
あなたの知的好奇心をくすぐる「ピートのふしぎなガレージ」。3月26日(土)の放送のテーマは《フォークソング》。お聴き逃しなく!
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★給料日のあなたの「プチ贅沢」は、何ですか?(2016/3/24) http://tfm-plus.gsj.mobi/news/sq6FDuIuio.html
★今年はどんな気持ちで、桜を見ますか?「美しく儚い、桜の句」(2016/3/24) http://tfm-plus.gsj.mobi/news/gpJcqPREGc.html
★鈴木亜美と専門家がおすすめ 美味しい「イチゴ」の味わい方(2016/3/19) http://tfm-plus.gsj.mobi/news/elyBr4pfzz.html
<番組概要>
番組名:「ピートのふしぎなガレージ」
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国37局ネット
放送日時:TOKYO FMは毎週土曜17:00〜17:50(JFN各局の放送時間は番組Webサイトでご確認ください)
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/garage