【誰かに教えたくなる話】“江戸っ子気分でちょいと一杯”一度は行きたい老舗居酒屋

日本人は、昔からお酒が大好き！　仕事帰りに一杯ひっかけて……は長年の文化です。当然、居酒屋もたくさんありますが、東京にも江戸から続く老舗のお店がまだ残っています。そんな江戸の雰囲気が味わえる、一軒の老舗居酒屋をご紹介します。

※写真はイメージです

東京・鶯谷にある居酒屋「鍵屋」。
1856年に酒屋として創業、台東区下谷の言問通りにありましたが、昭和に入り、鶯谷に移転しました。
移転前の建物は小金井公園に隣接する「江戸東京たてもの園」に移築されています。

店内に一歩足を踏み入れただけで、タイムスリップ。
年季の入った作りのカウンターに、小上がりの座敷。
凝ったお酒はなく、日本酒は大関、菊正宗、櫻正宗の3種類のみ。
「どうこ」と呼ばれる、鉄で作られた昔ながらの湯沸かし器でお燗してくれます。

食事は、江戸情緒を感じさせるものばかり。
玉子焼（だし巻き卵）。
味噌おでん。
たたみいわし。
そして鍵屋名物の、「くりからやき」。
くりからやきはウナギを細長く切り、くるくると串に巻いて焼いたもの。
「倶利伽羅竜王（くりからりゅうおう）」という不動明王の化身である龍が、剣に巻き付く姿に似ているということで「くりからやき」という名前が付いたそう。
名前にまで情緒を感じますね。

店を出るときには「ありがとう存じました」と丁寧に店主が見送ってくれます。
このお店は残念ながら、「女性のみ」の来店はNG。
ちょっと残念ですが、それも歴史ある硬派な居酒屋ならではだからかもしれません。
女性の方は、男性をお誘いあわせのうえ行ってみてくださいね。

老舗の居酒屋で、江戸っ子気分でちょいと一杯。
なんだかいつもより、酔ってしまいそうです。

文／岡本清香

TOKYO FM「シンクロのシティ」にて毎日お送りしているコーナー「トウキョウハナコマチ」。江戸から現代まで、東京の土地の歴史にまつわる数々のエピソードをご紹介しています。今回の読み物は、「江戸情緒あふれる鶯谷の居酒屋」として、9月10日に放送しました。