片道飛行の火星移住計画に約20万人が応募するなど、地球以外の惑星で人類が居住できる可能性が探られていますが、10億年後には火星はおろか太陽系に人類安住の地は失われてしまうと言われています。そんなはるか未来に人類が移住できると考えられているのが、宇宙最期の日まで輝き続ける寿命を持つ恒星の「赤色矮星」周辺の惑星なのですが、一体赤色矮星とはどんな恒星なのか、ということがアニメーションでわかりやすく解説されています。

The Last Star in the Universe - Red Dwarfs Explained - YouTube

もし全ての星が燃え尽きて宇宙最後の日が訪れる時、最後になる星は恐らく「赤色矮星」です。



赤色矮星はその特徴から、人類最後の居住地になるとも言われています。



太陽のような自ら光を発する天体は「恒星」と呼ばれ、宇宙にある恒星のうち70%が赤色矮星です。



赤色矮星は恒星としてはサイズが小さく、質量は太陽の7%〜50%ほどですが、それでも太陽系の惑星である木星より、はるかに大きい恒星です。



地球とは比べものにならないほど巨大で、恒星としては非常に暗い部類に入ります。



夜空に浮かぶ赤色矮星を肉眼で確認することはできませんが……



科学技術の発達により、地球の近くにある赤色矮星なら観測可能になっており、地球の周辺に20個近くの赤色矮星が確認されています。



赤色矮星もほかの恒星と同様に核融合を行います。太陽のように大きな恒星は、天体の内部にある高密度領域である核で核融合を行いますが、赤色矮星は内部全体で流動的な核融合を起こしています。



燃料となる水素が少ないため、核融合反応はゆるやかに行われますが、それは燃料の消費が遅いことを意味します。



ゆっくりと時間をかけて燃えるため、赤色矮星の平均寿命は1兆年〜10兆年になると見られています。一方で、太陽の寿命は残り50億年と見積もられています。



また、宇宙の年齢は現時点で137億年であるため、これまでに死んだ赤色矮星は存在しません。



つまり赤色矮星は全てまだ赤ちゃんの状態。



赤色矮星は恒星になれる最小のサイズなのですが、これ以上小さい恒星だと核融合が起こせないため、恒星になることができない「褐色矮星」になります。



生物にとっては、赤色矮星はどんな場所なのでしょうか。



もし太陽が死んでしまったら、人類は地球を捨ててどこかに移住する必要に迫られます。生物が快適に過ごせる場所なら、すでに宇宙人が居住している可能性もあります。



これまでの観測によると、見つかっている赤色矮星系の半数に、地球の半分以下の質量の小さな惑星があることがわかっています。



そんな惑星の一部は、水が液体として存在できる「良い距離」を赤色矮星と保っているものも存在します。



しかし、赤色矮星は太陽に比べて温度が低いため……



「良い距離」は太陽と地球のような距離よりもずっと近くなります。赤色矮星系における「良い距離」は、だいたい太陽と水星の距離くらいと考えられています。



そんな距離感は問題をもたらします。距離が近すぎるために惑星の向きが固定されてしまい、回転することなく光を発する赤色矮星に常に同じ面が向くことになります。すると赤色矮星を向く面は信じられないほど熱くなり……



裏側は凍りついて生物が住むのは難しい、という環境が生まれてしまいます。



赤色矮星系にある全ての惑星がそんな環境なわけではなく、例えば惑星に大きな海があれば、熱が分散されて安定した環境になる可能性もあります。



ただし、距離が近いということは重力も強くなるため、惑星の形は角張ってしまい、水が蒸発して存在できないかもしれません。その場合、最終的には金星のような灼熱地獄と化します。



赤色矮星から放出されるエネルギーの安定性も重要な問題です。もし赤色矮星に黒点が現われ、光が40%以下に低下し続けると、惑星の海は凍りつきます。



また、もし強力なフレアが噴き出した場合は、数分で赤色矮星が倍の明るさになり、周囲の惑星の大気の大部分を燃やし尽くしてしまうとのこと。



移住先としては厳しい候補のように聞こえますが、長寿命であることは大きな利点です。もし活動が安定した赤色矮星系を発見できれば、数兆年にわたって居住できる人類の永住の地となるかもしれません。



地球の生命は40億年間にわたって存在していますが、太陽は10億年後に熱くなりすぎると予想されています。そうなると地球に人類が住めなくなるため、移住先の選定が必要になるわけです。



赤色矮星系の中には、地球に似た惑星が約5%存在すると見られており……



数にすると約40億個にのぼります。



もし手頃な場所に地球と似た惑星がなくても、巨大ガス惑星の衛星や、地球の数倍の質量を持つスーパーアースなども候補に挙げられています。



これらを合わせて全部で約600億個の惑星が、銀河系にある赤色矮星の周りに存在すると考えられいるため、「移住先が見つからない」という事態は起こらないのかも。



遠い将来の話ですが、これらの理由から赤色矮星は人類にとって重要な恒星として捉えられているのです。



なお、数兆年がたてば赤色矮星も寿命を迎えるわけですが……



周囲を巻き込む大爆発、のような大げさなことは起こりません。質量が縮んで「青色矮星」になり……



燃え尽きると「白色矮星」になります。



白色矮星のサイズは地球大ほどで、ほとんどがヘリウムで構成される物体です。



エネルギー源のない白色矮星は、さらに数兆年かけて最終形態である「黒色矮星」になります。黒色矮星に関しては、別のムービーで説明する予定とのこと。



つまり、宇宙最後の日までは想像できないほど長い時間がかかるため……



人類が宇宙に進出することができれば、太陽に替わる光を満喫する時間はたっぷり残されているわけです。