「ビーバー」イメージ写真(画像提供:北陸製菓)

相変わらず北陸新幹線の人気がすごい。週末の「かがやき」の指定席は満席状態が続いている。春の開業当時はもちろんだが、夏から秋の行楽シーズンも絶好調だ。金沢市内の名所は大変な人混みで、ひょっとしたら京都以上ではないかという声も上がるほどだという。

そんな中、あるお菓子が注目を集めている。「ビーバー」という揚げあられだ。「ビーバー」と聞いても、普通はかわいらしい動物を思い浮かべるだろう。しかし、北陸3県、石川、富山、福井の人々は、「強いぞビーバー!」「○○のビーバーですぞぉ〜」というCMのフレーズと共に、このあられを思い出すという。

ビーバーって、いったいどんなお菓子なのか?

ビーバーの歯に似ているから、「ビーバー」になった?


「ビーバー」袋(画像提供:北陸製菓)

「ビーバー」が生まれたのは、今から40年以上も前のことだ。当時、白山市の「福富屋製菓」が開発した。1970年に開催された大阪万博のカナダ館を訪れた際、マスコットのビーバーの歯が、あられに似ていることからネーミングしたという逸話が残されている。

地元北陸産のもち米、鳴門の焼き塩、日高昆布など材料にこだわり、独自のブレンド油で「手揚げ」を貫いてきた商品で、子どものおやつ、大人のビールのおつまみとして人気だった。北陸3県のほとんどのスーパーで販売され、テレビCMも話題となった。

ところが、やがて売り上げが減少。1996年、白山市の「福屋製菓」が事業部門を引き継いだが、2013年9月、こちらも経営破綻した。この件に関しては、Jタウンネットでも取り上げた(参照:北陸の定番あられ「ビーバー」、製菓会社が自己破産)

また消えられても困るし...おいしいし...

「ビーバー」の生産・販売は中止されたが、それを惜しむ声は高まるばかり......。そこで金沢市の「北陸製菓」が、製造スタッフ数人を迎え入れ、「ビーバー」復活に挑戦することになる。2014年8月、北陸3県の主要スーパーで約1年ぶりに販売を始めた。そして今年春、北陸新幹線の開業と共に、北陸定番のお菓子、北陸ならではのお土産として、再び脚光を浴びることになったのである。

ツイッターにも、次のような投稿が寄せられている。

「ビーバーって動物じゃなくて、おかきのアレね!北陸人ならわかるやつ」、「加賀生まれ北陸育ちのビーバーうめー!」などといった、地元の人からの感想が多い。

北陸土産にぜひ買って帰りたい人は、主要スーパーで購入できる。JR金沢駅構内のコンビニ「ハート・イン」でも販売されている。

また北陸製菓のオンラインショップでも販売されている。84グラム入り12袋で、2280円(税込)。

そんな「ビーバー」シリーズから、「白えびビーバー」が12月25日から通常販売されることになった。富山産白えびの甘みが絶妙だとのこと。これまでは数量限定のスポット販売だったが、「継続して販売してほしい」という要望が多く、生産体制を整えたという。これまた、北陸土産に良さそうだ。


「白えびビーバー」袋(画像提供:北陸製菓)