花咲徳栄vs鶴岡東
初戦の三沢商戦で18安打15得点を挙げた花咲徳栄(試合レポート)と、鳥取城北戦で16安打9得点の鶴岡東(試合レポート)が3回戦で激突。しかし、この試合では1点を争う接戦になる。
試合では、終始鶴岡東が好機を作る。初回、3回、4回、5回と無死から走者を出すも、ことごとく花咲徳栄の先発・鎌倉 知也とバックの守備が得点を許さない。
初戦は、両チームともに2桁安打を放つ活躍を見せただけに、思うような当たりが出ず、歯がゆい展開に。これを打破したのは、7回の攻防。
7回表の鶴岡東の攻撃では、一死から9番・松崎 祥弥が投手の足元を抜ける安打で、まず出塁。1番・田辺 和も三遊間を抜ける左前安打で続き、一死一、二塁とチャンスを広げる。ここで花咲徳栄は、投手を鎌倉から高橋 昂也に交替。この交替が的中し、後続を2者連続三振に斬ってとりピンチを免れる。
ピンチの後にはチャンスがあった。7回裏の花咲徳栄の攻撃で、ついに試合が動く。前回の三沢商戦で、ランニング本塁打と2本の二塁打を放ち3打点の活躍を見せた4番・大瀧 愛斗が、左前安打で出塁。5番・里見 治紀が投手前に転がす犠打で一死二塁。6番・楠本 晃希の内野安打で走者一、三塁とさらにチャンスを広げる。ここで投手陣の好投を支える女房役の7番・笹谷 拓海が、中前に打球を弾き返し、大瀧が生還。待望の得点「1」が花咲徳栄のスコアボードに刻まれる。
追加点が欲しい花咲徳栄は、8回にも攻撃を仕掛ける。二死から、2番・太田 幸成の四球と3番・岡崎 大輔の右前安打で一、三塁のチャンスを作る。ここで4番・大瀧が痛烈な打球を放つも、鶴岡東の三塁手・黒川 大翔の好守によって得点を得られなかった。
1点差で迎えた9回表の鶴岡東の攻撃を、2番手投手・高橋 昂也が投ゴロ、見逃し三振、空振り三振と3人で抑え、試合終了。再三のピンチを招くも、花咲徳栄は鎌倉と高橋の投手リレーで、強力鶴岡東打線を零封した。
本日の試合での安打数は、花咲徳栄6に対して鶴岡東は7。この試合で、4回の無死から走者を出したが得点に結びつけることができなかった鶴岡東と数少ないチャンスをモノにした花咲徳栄との明暗が分かれた。
互いに、ピンチの場面でも好守を見せ、1点を奪い合う手に汗握る試合となった。勝利した花咲徳栄が初の甲子園ベスト8入りに選手たちは笑顔を見せた。
(文=佐藤 友美)
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