鶴岡東vs鳥取城北
鶴岡東は山形県大会では、5試合で44得点の打力を見せ、甲子園出場を果たした。対する鳥取城北は鳥取大会の5試合で9失点の守備力の高さを発揮し、勝ち上がってきた。
先手を取ったのは鶴岡東。2回表に7番・黒川 大翔(3年)の本塁打で1点を先制。だが、3回裏に鳥取城北も先頭の7番・榎 克也(3年)が右中間に運ぶ安打を放つ間に好走塁をみせ二塁に到達。8番・岡田 健成(3年)の犠打で三塁まで進む。ここで9番・高見 悠己が左中間のフェンスを直撃する二塁打で、すぐさま同点に追いつく。
しかし、直後の4回表に二死から9番・福谷 優弥(3年)と1番・田辺 和(3年)の連打で1点を奪い勝ち越しに成功する鶴岡東。5回には2者連続の四球と鳥取城北(3年)の継投が乱れた隙をつき、内野安打で無死満塁のチャンスを作る。6番・丸山 大(2年)の中前安打で1点、8番・竹本 大輝(3年)のゴロを処理する間に1点、9番・福谷の中前へ打球を弾き返す当たりで1点を追加し、一気にリードを広げたかに思えた。
それでも鳥取城北の5回裏の攻撃では、2番・金川 聖志(3年)と4番・布袋 翔太(3年)の適時打でそれぞれ1点ずつを追加し2点差に詰め寄る。
決定打が欲しい鶴岡東は、7回に先頭の6番・丸山の中前安打を皮切りに、8番・竹本の安打で一死一、三塁と追加点のチャンスを得る。ここから、9番・福谷 優弥(3年)、1番・田辺の連続適時打と2番・藤井 俊佑(3年)の犠飛を挟み、4番・阿部 大(3年)の左中間のフェンス直撃の二塁打で、この回に一挙に4点を加え9対3とする。
最後まで諦めない鳥取城北は、7回に2番・金川の打球を処理する間に1点、8回にも四死球から作った一死一、二塁のチャンスから7番・榎がレフトフェンス直撃の二塁打を放ち1点、8番・代打の垣内 祥平(2年)の犠牲フライでさらに1点を返す。しかし、反撃はここまで。鶴岡東の先発・福谷が9回の鳥取城北の攻撃を0に抑え試合終了。
鶴岡東は、先発・福谷の投打に渡る活躍が光った。投げては全く三振を取りにいくことなく、4回裏の二死満塁のピンチを防ぐなど粘り強さを発揮した。そして打っては5打数4安打1打点2得点。9番の出塁が大量点の原動力となっていた。
惜しくも敗れた鳥取城北は、俊足の4番中堅手・布袋などタレント力はありながらも、繋がりを欠いた印象があった。先発・辻井 裕也(3年)が4回までに80球以上を投げさせられ、5回から2番手以降を投入させざるを得なくなったことも痛かった。
試合のリズムが終始上がらず重い展開の中で、5回表の鳥取城北の継投が乱れる間に攻め立てた鶴岡東が悲願の夏甲子園初勝利を掴み取った。
(文=佐藤 友美)
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