26日、東京都千代田区のよみうりホールで開かれた第1回食育推進交流シンポジウムで、「早寝早起き朝ごはん」運動の重要性について話す立命館小学校の隂山(かげやま)英男副校長。(撮影:久保田真理)

写真拡大

文部科学省は26日、東京都千代田区のよみうりホールで、食育に携わる教育関係者などを対象に、第1回食育推進交流シンポジウムを開催した。講演のほか、教育関係者や地域の生産者らによるパネルディスカッションなどが行われた。

 はじめに、文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課の山口敏課長が、学校における食育の在り方を説明。特に、家庭科・総合学習の時間での食に関する指導、学校給食の管理を行う「栄養教諭」が今後、学校、地域、家庭をつなぐ重要な役割を果たすと話した。また、学校給食に体験学習で栽培した食材や地域の食材を取り入れ、給食が「生きた教材」として活用されることに期待を示した。

 引き続き行われた基調講演で、独自の方法で子供たちの学力向上に取り組む立命館小学校の隂山(かげやま)英男副校長は、夜型の生活や朝食を抜くことが学力の低下につながると指摘。朝食を必ずとる子供に比べ、朝食をとる回数が少ない子供ほど、テストの点数が低いとの調査結果を発表した。「“食育”を法律にしなければならないほど、日本の食は乱れている。朝ごはんを食べないことは恥ずかしいと思うような世の中にしなければ」と朝食の重要性を強く訴えた。

 今回のシンポジウムは、05年7月に食育基本法が施行され、今年3月に食育推進基本計画が発表されたことにより開催された。06年から10年までの5カ年計画で、朝食をとらない子供を0%にすること、給食に地場産物を取り入れる割合を今の21%から30%にすることを目標にしている。【了】