衆院行政改革特別委員会（伊吹文明委員長）は３日午後、小泉純一郎首相以下全閣僚が出席して、午前中の総括質疑に引き続いて午後の討議に入った。午前中最後に質問した前原誠司民主党代表の後任候補の一人と見られている菅直人元民主党代表が、「小泉政権の負の遺産」を列挙して、同政権の失政を厳しく非難した。

　菅氏は、「小泉政権の５年間の総決算」として、不良債権処理問題や景気回復などの「正の遺産」を挙げて一定の評価はしたが、「余りにも遅すぎた」と断じた。さらに、◆170兆円とも言われる国の借金◆道路公団や防衛施設庁などの官製談合による税金の無駄遣い◆地方の切り捨て◆格差の拡大◆アジア外交の失敗―の５つを「負の遺産」として、小泉政権の失政を指弾した。

　前原代表に続く菅氏の質問に、小泉首相は「午前午後と党首が続いて、この後小沢さんが質問するのかと思った」とジョークを飛ばし、「批判はあるかと思うが、改革は進んだ」と実績を強調した。また、言葉だけの行政改革という同氏の批判には、道路公団や郵政民営化は「国民の支持のもとに進めてきた」と反論。さらに、「言葉だけの行政改革なら、私はとっくに退陣。菅さんは今ごろ総理大臣ですよ」と答弁する余裕を見せた。

　質疑の模様は、テレビで生中継されたほか、インターネットでもストリーミング中継された。【了】

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