WBCに閑古鳥を鳴かせているのはどいつだ!|WBC
昨日のWBCを見ていて気になったのは、空席の多さだ。特に三塁側の内野席は緑色のシートが累々と並んでいた。これだけ注目度が高いのに、空席が目立つとは。土曜日の初戦も満杯ではなかった
(写真は昨年11月のものだが、入りはこの時より悪かった)。
WBC PoolA 全選手STATS
もともと本戦に行く気はなかった。試合をしっかり見るならJ-Sportsを見る方がよいと思ったからだ。ただ各国チームの状況を見るために強化試合は見に行くつもりで、京セラドームに足を運んだが、日本戦にもかかわらず、ここでも空席があった。
昨日は半分も入っていなかったのだ。2012年のソフトバンクの観客動員は2,447,501人。これはYahoo!Japanドームの定員で割ると97.6%になる。WBCは開幕ゲームでさえも、これに遠く及ばなかったのだ。
いろいろ原因はあろうが、つまるところ入場料の問題だと思う。
Yahoo!Japanドーム ソフトバンクの開幕戦の入場券との価格比較。強化試合も含めた。
ローソンチケットのデータから。シートの名前はイベントによって異なるので、一部不整合があるかもしれない。
強化試合でも、NPBの公式戦とそん色がない。日本戦に至っては、すべてのシートがほぼ倍に近い。
家族4人で日本戦を観戦しようと思えば内野なら最低2万4000円、外野でも1万6000円もかかるのだ。
他国戦でようやく、強化試合と同じ価格。
東京ラウンドになると、さらにすごいことになる。同様にローソンチケットのデータから。シートの名前はイベントによって異なるので、一部不整合があるかもしれない。
ほぼ3倍である。外野で見ても家族4人で2万円。ごく普通の内野席でも4万8000円。
ぼったくりとしか言いようがない。日本が敗退した場合は料金は変わることになっていたようだが、ほぼその可能性はなくなった。
2009年の時は、東京ラウンドの1,2戦が一番高いS席で1万円、外野席は3500円。3〜6戦がS席1.6万円、外野席5000円。6試合通しなら45000円、1試合当たり7500円、外野席は20000円、1試合当たり3333円。
日本はこの4年間、デフレに苦しみ、人々の所得はじりじり目減りしているのに、何を考えているのだろうか。
2009年の入場者数は中国vs日本戦が43,238人、韓国vs日本戦が45,640人、日本vs韓国戦が42,879人。
今回、この数字をクリアするのは難しいのではないか。
日本全国がWBCで沸き返っている中、東京ドームで空席が目立ったら世間はどう思うだろうか?「案外、大したことないイベントなんだ」と思わないだろうか?ブームに水を差すと思うが。
NPB事務局は、可哀そうな人々の集まりなのかもしれない。主催者の読売新聞も上にへいこらするだけの組織なのは知っている。しかしものごとには相場、常識というものがある。一言いう人はいなかったのか?
バブル花やかなりしころのF1じゃあるまいし、これだけの金をかけて3時間余りのイベントを見に来ることができる人が、日本中にどれだけいると思っているのか。
いつもよりシートがきれいになるわけでなく、凄いプレミアムやパンフレットがついてくるわけでなく、観客にとって待遇は全く変わらない。押し合いへし合いしてスタジアムに入り、帰りは駅で並んで電車に乗ることになるのだ。
日本は3連覇するかもしれないが、日本のWBCのマネジメントは、すでに敗色濃厚だ。これが日本のプロ野球経営者の能力だと考えるべきだろう。