もう一回だけ、五輪選手団の役員構成比についての記録を取り上げる(前編はコチラ)。

JOCでは、今回の五輪選手団の顔ぶれを全員発表している。これをもとに、競技別の選手、役員構成比を作る。さらに、韓国も同様の発表をしているので、これをならべ、役員の比率を比べてみる。




ほとんどの競技で、日本の役員比率が高いことが解る。役員の内訳は監督、コーチ、トレーナー、ドクター、総務、渉外など。

子細に見て行くと、日本の役員団は監督は各競技、男女ごとに一人だが、コーチが非常に多いのだ。個人競技を中心に、パーソナルコーチが多いからだ。

今のアスリートは、一人一人が練習法が異なっている。こうなってしまうのは、ある程度仕方がないとは思う。
さらに、各競技ごとにドクターやトレーナーがついてくる。そして広報、渉外、総務などの人間もいる。要するに、競技ごとに独立した別個のチームなのだ。

よく分からないがかなり年寄りの人がチームリーダーという形で入っていることもある(表ではコーチに入れた)。

個別にみると不思議な構成になっている競技も多い。

トライアスロンは選手5人、コーチ2人に総務が2人ついている。

団体が内紛でもめたテコンドーは選手2人にコーチ2人。
ホッケーは選手は全員女性なのに役員5人は全員男性。
フェンシングは、看板選手の太田雄貴の就職が決まらなかったことが話題になったが、役員は8人もついてくる。このうち日本フェンシング協会が6人、なぜか5人が外国人だ。

そして、各種目とは別に、本部というものがある。団長上村春樹、副団長橋本聖子、総監督塚原光男、以下、本部役員が9人。確かに橋本聖子は冬季も夏季も五輪に出ているが、冬季の人だと思うのだが。

さらに、そのあとに本部員が18人。トレーナーや医務担当や、渉外、情報戦略、輸送担当まで並んでいる。これって殿さまがいて、奥方がいて、ご家老がいて、若年寄がいて、太刀もちがいて、足軽がいるという大名行列を思わせる。
各競技にも、トレーナー、医務担当や渉外、総務がいて、本部にも似たような機能の人がいるのだ。

ずいぶん手厚いものだが、最近はやりの「事業仕分」風にいえば、ポストが被っている部分についてはカットできるのではないかと思う。

理想的には、これくらいの人間は必要なのかもしれないが、今の日本は、どんな企業や組織でも最低限の人員で、ベストのパフォーマンスをすることが求められている。贅沢なんじゃないかと思う。
この人たちがどんなクラスの飛行機に乗って移動したかも注目だ。

韓国の場合、各競技に監督、コーチはいるが、トレーナーなどは少ない。渉外、総務などはいない。そうした業務は本部で一括しているようなのだ。

中国の選手団は内訳はわからないが、選手396人に対して役員は225人。役員比率は36.2%。お金持ちの中国でさえ、役員の比率は日本より低いのだ。

まあ、これだけ凄い指導者、サポート陣を率いてロンドンに乗り込むのだ。まさか、メダル数が過去より下回ることなどないだろう。役員比率が史上最高なのだから、メダルの獲得率も史上最高を期待していいんじゃない?今回は。