新エース誕生?ハーフナー・マイクの魅力と可能性を探る!
10月11日の日本代表対タジキスタン代表で、先制点を含む2ゴールを挙げ8-0の圧勝に大きく貢献したFWハーフナー・マイク(甲府)。日本代表歴代最長身となる194センチの体躯と、それに似合わぬ柔らかい足元の技術を併せ持つ期待の24歳だ。
若いころから年代別代表で注目されていたものの、キャリアは決して順調ではなかった。ユースから横浜FMトップチームに昇格したものの、2シーズン続けて結果を残せず2008年はJ2福岡(当時)でプレー。7得点を挙げ横浜FMに戻ったが、そこでもレギュラーを獲得できず、2009年にJ2鳥栖にレンタルされた。
しかし、「結果を残せなければサッカーを辞めようと思った」とまで思いつめた鳥栖で15得点をマークすると、2010年からはJ2甲府(当時)に完全移籍で加入。この年、20得点を挙げて甲府のJ1昇格に大きく貢献する。
そして今シーズン、ついにその才能が開花する。第30節終了時点で、J1得点ランキングトップタイとなる16得点をマーク。チームが残留争いに苦しむ中、一人気を吐いている。
ハーフナーの父は、元日本代表GKコーチで現清水コーチのハーフナー・ディド。サッカー一家のサラブレッドとしての存在感を、ついに日本代表でも発揮した格好だ。
すでに複数の海外クラブから移籍の打診があるともいわれ、今オフの動向が注目される選手となったハーフナー。Soccer Journal参加ブロガーにも、ハーフナーに対する言及が増えた。「サッカーを読む! Jマガ」に寄稿されている熊崎敬氏は、今月14日、「【全文掲載】タジキスタン戦圧勝の裏に」の中で、タジキスタンにおけるハーフナーのプレーについてこう述べる。
同様のコメントは、「ビバ!スポーツ時評」にて牛木素吉郎氏も言及している。
ザッケローニ監督に、これまで日本に欠けていた「高さ」という選択肢を与えたという点で、ハーフナーの台頭は非常に大きいといえるだろう。
もちろん、これでハーフナーがレギュラーを確保したと考えるのは早計だ。「FCKSA55」のjubeさんは、以下のように今後の課題に言及している。
相手が高さだけでなく強さ、上手さのあるDF陣になったとき、どういうプレーができるか? つまり、世界レベルの相手に対しどこまでやれるのか。そういう部分は未知数といえるだろう。
「小谷泰介の地球はフットボール」で、小谷泰介氏はハーフナーの活躍について「久々に高さを武器としたフォワードの選手が頭角を現したことが何よりも喜ばしい」としながらも、以下のように危惧を述べている。
所属チームの甲府は今オフの欧州移籍について容認すると言われており、ハーフナーが「海外組」になる日も遠くなさそう。彼の存在は、日本代表にとってかつてない武器になる可能性を秘めている。今後のJリーグ・代表戦ともども、ハーフナーの動向に注目したい。
若いころから年代別代表で注目されていたものの、キャリアは決して順調ではなかった。ユースから横浜FMトップチームに昇格したものの、2シーズン続けて結果を残せず2008年はJ2福岡(当時)でプレー。7得点を挙げ横浜FMに戻ったが、そこでもレギュラーを獲得できず、2009年にJ2鳥栖にレンタルされた。
そして今シーズン、ついにその才能が開花する。第30節終了時点で、J1得点ランキングトップタイとなる16得点をマーク。チームが残留争いに苦しむ中、一人気を吐いている。
ハーフナーの父は、元日本代表GKコーチで現清水コーチのハーフナー・ディド。サッカー一家のサラブレッドとしての存在感を、ついに日本代表でも発揮した格好だ。
すでに複数の海外クラブから移籍の打診があるともいわれ、今オフの動向が注目される選手となったハーフナー。Soccer Journal参加ブロガーにも、ハーフナーに対する言及が増えた。「サッカーを読む! Jマガ」に寄稿されている熊崎敬氏は、今月14日、「【全文掲載】タジキスタン戦圧勝の裏に」の中で、タジキスタンにおけるハーフナーのプレーについてこう述べる。
ハーフナーと中村の起用も功を奏した。特に長身ハーフナーの抜擢は、ゴール前を固めるタジキスタンには有効だった。
日本らしいパスによる崩しに固執せず、ゴールへの最短距離を選ぶ。当たり前だが、このあたりが結果重視のイタリア人らしい決断だ。監督が日本人だったら、いつものように李忠成を出して様子を見ていたのではないだろうか。高さを温存して地上戦で勝負していたら、いくら敵が弱くても、多少は苦労していたかもしれない。
同様のコメントは、「ビバ!スポーツ時評」にて牛木素吉郎氏も言及している。
「ハーフナー・マイク起用の狙い 」
ハーフナーは日本の8得点のうち2点を決めた。前半11分の1点目と後半1分の5点目である。どちらもヘディングだった。狙いどおりである。
しかし、ザッケローニ監督がハーフナーを起用したのは、タジキキスタンの守備策対策のためだけではないだろう。レベルの差が明らかな相手だったから、勝つためだけなら必ずしもハーフナーの高さを借りる必要はなかったはずである。
ハーフナーを加えた第2の狙いは、今後に備えて「攻めの多様化」を図ることだっただろうと思う。
相手によって、あるいは状況によって、いろいろな攻め方ができるように、いろいろなタイプのプレーヤーを用意しておきたい。その選択肢を増やすために、ハーフナーに国際試合の経験を積ませておこうと考えたのだろう。
ザッケローニ監督に、これまで日本に欠けていた「高さ」という選択肢を与えたという点で、ハーフナーの台頭は非常に大きいといえるだろう。
もちろん、これでハーフナーがレギュラーを確保したと考えるのは早計だ。「FCKSA55」のjubeさんは、以下のように今後の課題に言及している。
「タジキスタン戦選手評価。スタメン選手11人+交代選手3人。」
ハーフナー・マイク:6点
アジアを相手にする時には、高木琢也、呂比須ワグナー、鈴木隆行、巻誠一郎、平山相太(五輪代表)、こういう高さを武器にするようなFWが活躍してきましたが、ザックジャパンではどうやらハーフナー・マイクがその枠に入りそうですね。但し、今までの傾向からすると、脱アジアレベルを相手にした時には、こういう高さを武器にするようなFWはなかなか活躍できなくなる、という事があるので、ハーフナー・マイクがその壁を破れるのか、そこがこの先の注目ポイントの1つになるかなと思います。
相手が高さだけでなく強さ、上手さのあるDF陣になったとき、どういうプレーができるか? つまり、世界レベルの相手に対しどこまでやれるのか。そういう部分は未知数といえるだろう。
「小谷泰介の地球はフットボール」で、小谷泰介氏はハーフナーの活躍について「久々に高さを武器としたフォワードの選手が頭角を現したことが何よりも喜ばしい」としながらも、以下のように危惧を述べている。
「ハーフナー選手は世界基準を目指せ!」
フットボール界にはピーター・クラウチ選手やニコラ・ジキッチ選手のように2メートル近い体躯のフォワードが何人かいますが、世界最高峰のレベルに於いては必ずしも彼等がヘディングの名手というわけではありません。彼等程の長身になってしまうと何故かジャンプの踏み出しに力強さが感じられず、ヘディングをするためのスペース(ジャンプ地点)への動き出しにも難があるため、長身を誇りながら必ずしも空中戦に勝てるとは限らないのです。また、元ブラジル代表のソクラテス選手も192センチと長身でしたが、ヘディングはさっぱりで、華麗なステップとパスワークを得意とする中盤の選手でした。
(中略)
要は長身とヘディングの強さにはさしたる相関関係がないということであり、ハーフナー選手が世界のトップレベルで通用するかは未知数であると言わざるを得ないのです。しかし、現在彼がザッケローニ監督の下で、今までにはなかったタイプの日本代表のストライカーとして多くのサポーターの注目を集めていることは間違いありません。Jリーグの得点王争いでも首位を走っておりますし、国内レベルでは苦労が報われて陽の目を見るようになりましたが、より高みを目指して奮闘して頂きたいと存じます。意外に足技がうまく、ポストプレーも出来るだけに、ヘディングに磨きをかけて2014年W杯では世界をアッと言わせるような活躍をして欲しいものです。
所属チームの甲府は今オフの欧州移籍について容認すると言われており、ハーフナーが「海外組」になる日も遠くなさそう。彼の存在は、日本代表にとってかつてない武器になる可能性を秘めている。今後のJリーグ・代表戦ともども、ハーフナーの動向に注目したい。
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