韓国の国立大学ソウル大学に、始めて日本関連の学部が開設されることが分かった。韓国では私立大学をはじめ多くの国公立大学に日本関連学部があるが、ソウル大学は1946年の開校以来、断固として開設してこなかった。

ソウル大学は14日、学長会議で2012年から日本学の専攻を含む東アジア言語文明学部を開設することを明らかにした。「東アジア文明学部」では、日本、東南アジア、インド、中東の4つの地域の言語と文化、歴史、哲学まで幅広く学ぶ。定員は20人を予定。

ソウル大学は日本統治時代直後の1946年に開校し、これまで反日感情を考慮して日本関連学部は開設されなかった。2000年代に入り、日本関連学科の開設を求める動きが出始めたが、一部の教授たちによる強い反発で開設は叶わなかった。

2009年には人文学部が主導する形で、東アジア言語文明学部を開設する動きが起きたが、ここでも地域学などを扱う社会学部や国際大学院の反対に遭い設置は頓挫した。

ソウル大学の関係者は、「日本に関する学内の研究が不足していたが、さまざまな理由により設置が遅れた」、「今回の開設により、ソウル大学の日本や東アジア研究が活発になると期待している」と話した。

ソウル大学が日本関連学部の開設に遅れたのは、反日感情を考慮してのことだったが、韓国国内からは時代錯誤との指摘もあった。

参照:<社説>ソウル大学開校後始めて日本学専攻開設の意味 - 韓国日報
参照:ソウル大、開校65年ぶりに日本関連学科開設 - アジア経済

(文:林由美)

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