試合 :キリンチャレンジカップ2011
開催日:2011年10月7日
結果 :日本代表勝利
スコア:「1−0」
得点者:李忠成


○ 日本代表

FW:香川真司 李忠成 藤本淳吾

MF:長友佑都 細貝萌 長谷部誠 駒野友一
DF:槙野智章 今野泰幸 伊野波雅彦
GK:西川周作

FW:李忠成
MF:原口元気 中村憲剛 藤本淳吾
MF:阿部勇樹 細貝萌
DF:槙野智章 今野泰幸 栗原勇蔵 駒野友一
GK:西川周作


FW:李忠成
MF:原口元気 中村憲剛 藤本淳吾
MF:阿部勇樹 細貝萌
DF:今野泰幸 栗原勇蔵 吉田麻也 駒野友一
GK:西川周作

○ ベトナム代表

FW:レ・コン・ビン

MF:レ・タン・タイ
MF:ファム・タイン・ルオン グエン・コン・フイ グエン・ミン・チャウ グエン・チョン・ホアン
DF:ドアン・ビエト・クオン レ・フオック・トウ チャン・チ・コン フイン・クアン・タイン
GK:ブイ・タン・チュオン

FW:グエン・クアン・ハイ
MF:グエン・ゴック・タイン
MF:フォアン・デイン・トウン グエン・コン・フイ グエン・バン・クエット
DF:ドアン・ビエト・クオン レ・フオック・トウ グエン・アイン・トウアン フイン・クアン・タイン

GK:ブイ・タン・チュオン


ザックがやりたい形というのは、

FW:    香川真司 李忠成  藤本淳吾
MF:長友佑都              駒野友一
MF:      細貝萌   長谷部誠
DF:   槙野智章  今野泰幸 伊野波雅彦
GK:         西川周作


こうだと思います。
しかし実際には、

FW:    香川真司 李忠成  藤本淳吾
MF:
MF:長友佑都  細貝萌   長谷部誠  駒野友一
DF:   槙野智章  今野泰幸 伊野波雅彦
GK:         西川周作


こうなっていました。

FW:          李忠成
MF:    香川真司       藤本淳吾
MF:       細貝萌   長谷部誠
DF:長友佑都 槙野智章 今野泰幸 伊野波雅彦 駒野友一
GK:          西川周作

こうなっていたとも言えますね。


つまり本当は「守5:攻5」でやりたいのだけど、実際の試合では「守7:攻3」となってしまって、だから攻撃的にやりたい意図に反して、むしろ守備的になってしまっている、という事ですね。この解決方法は、長友と駒野に、絶対に下がって守備をするな、恐れずに前から前から守備をしろ、という事を徹底させるしかないですね。

どれだけサイドを攻められようと、守備が数的不利になろうと、無視して前にいる、という事ですね。もちろん、守備をしない、という事ではありません。「3−4−3」はハイプレスが大前提ですから、逆の言い方をすれば、ハイプレスをやるためのシステムですから、下がって守備をしないぶんだけ、前で守備をしなければならない、という事ですね。

それでこの試合の前半ですが、ハイプレスが機能しなかったので長友と駒野が下がっていたのか、それとも、長友と駒野が下がっていたのでハイプレスが機能しなかったのか、どちらなのでしょうか? どちらなのかは判断できませんが、とにかくそこが課題の1つですね。ハイプレスが機能しなかったら、「3−4−3」をやっても攻撃的にはならない、という事ですからね。

そして、もう1つの課題が、トップ下がいないシステムなので、そこをどうするのか? という事ですね。3トップの誰かが下がってくるのか、長友もしくは駒野が入って行くのか、ボランチの1枚が上がるのか、という事ですね。得点シーンは、長谷部が上がるパターンでした。おそらくザックの意図としては、香川、藤本、長谷部、この3枚が流動的にトップ下となる、という事だと思います。

ここはソコソコできていましたね。但し、長谷部が上がる場合を除いては、「3−4−3」ではなく「3−4ー1−2」や「3−4ー2−1」ですね。3トップの誰かがトップ下になった時に、長友か駒野がウイングの位置に上がっていれば「3−4−3」になりますが、どちらも上がっていなければ「3−4ー1−2」もしくは「3−4ー2−1」、という事になります。

と言う事でこの試合のザックの「3−4−3」の問題は、長友と駒野のプレー位置が低すぎた、という事だったと思います。長友と駒野にも言い分はあると思いますが、相手が前に1枚ないし2枚しか残さないで守備的に戦ってくる、守備方法はハイプレス、相手に攻められても4枚ないし5枚で守る、それをやるために「3−4−3」をやっているので、長友と駒野が下がって守備をするのはダメ、という事ですよね。


そして後半ですが、やはり「4−2−3−1」に戻して、前半よりはチャンスを作れるようになりました。「守7:攻3」から「守6:攻4」になりましたからね。しかし得点は取れませんでした。その理由は、システム云々ではなく、いわゆる控え組に該当する選手たちのパフォーマンスの低さ、連携の悪さ、という事だったと思います。特に連携というのは、悪かったなと思います。

それで、やはり注目だったのは、本田の代わりとしてトップ下で起用される事になるかもしれない、中村憲剛ですよね。藤本をトップ下で使う、香川をトップ下で使う、阿部や細貝を使って遠藤もしくは長谷部をトップ下で使う、とパターンは結構あると思いますが、この試合を観た個人的な印象としては、憲剛のトップ下というのは、悪くないかな、という感じがしました。

できれば、この試合の後半で、李、香川、岡崎、遠藤、長谷部、と揃っている状態で使ってみて欲しかったなと思いますね。やはり想像だけではハッキリ判断できないですからね。原口、栗原、阿部、という選手たちを使ってみたかった、主力選手たちを温存したかった、というのはもちろん理解できますが、本田の代わりに憲剛で機能するかどうかというのは、すごく重要な要素だと思いますので、そこを確かめられるような試合にして欲しかったなと思います。

しかし、それにしても、オプションやバリエーションのための「3−4−3」て、本当に必要なんでしょうかね? バルサにしても、確かに「8−0」や「5−0」という試合もありますが、6試合で、「2−2」での引き分けが2試合、「1−0」での勝利が1試合、という事になっていますから、エンターテイメントとしては良いかもしれませんが、現実的には、必要無いんじゃないかな、という気がします。