MEG
 シンガーとしてだけでなく、ファッションブランド「CAROLINA GLASER(カロリナグレイサー)」のデザイナーとしても活動の場を広げるMEG。アーティストからのボーカルオファーも多く、2008年はTOWA TEI、宇川直弘、スネオヘアー、ディズニーコンピレーション等の作品に参加。今年2月にはhadouken!プロデュースによるシングル「FREAK」を発売した彼女が5月27日、再び中田ヤスタカ(capsule)プロデュースによるニューアルバム「BEAUTIFUL」を発売した。

――最近、シングルを5枚くらい出してからアルバムを発売される方もいますけど、MEGさんの場合は、シングル2枚でアルバムというのがちょうどいいペースですか?

MEG:そうですね、今回に関しては1曲しかシングルが入っていないから。出来上がってみて、このチームでやるなら、こういう作り方の方が向いてるなと思いました。シングル曲が決まってたら、それをもう先にはめ込んで、その周りの曲を作るという風なのは、ちょっとしたしがらみが出てくるじゃないですか。今回はそれが無いから、自由度がすごく高かったです。

――「BEAM」からわずか半年後に「STEP」をリリースして、それから1年ぶりのアルバムとなりますが、その間ワンマンライブや東名阪ツアーもありつつ、新たな制作に向かうための充電期間というか、お休みはゆっくり取れましたか?

MEG:そうですね。その間、幸いにも他の人とのコラボレートとかもたくさんあったし、音楽には触れていられたんですけど。久しぶりに自分名義のアルバムのために家にこもった感じがしたので。その期間はいつも割と家から出なかったりするんですけど、そうするとそれまでの蓄積がやっぱり歌詞になる訳だから、そういう意味ではネタがたくさんあったかなという気がします(笑)。

――アルバムの制作作業はいつ頃から始めたんですか?

MEG:年明けすぐですね。

――今までのアルバムと比べると、割とゆったりとしたペースで作れた感じですか?

MEG:そうですね、最初から中田くんが「ミックスの時間を長く欲しい」と言ってたので、その分長く取っていて、歌は早く録ってしまおうという。レコーディングまでの歌詞を書く期間自体は変わらなかったんですけど、歌入れが終わってからミックスアップまでは今までの倍くらい時間がありましたね。

――中田さんとのアルバムも今作で3枚目となりましたが、ミックス以外に今までの制作作業と変化はありましたか?

MEG:はい。まず、デモ曲が上がってきた段階で、今までの2枚はキーボードでガイドメロディが入っていたんですけど、今回は歌で入っていたんですよ。

――それは、誰の声ですか?

MEG:中田ボイス(笑)。曲によっては女の子の声に変換されていたり、歌真似みたいに私の真似みたいなので入っていたりして、フローがすごく似ていたりするんですよ。それは面白かったですね。やっぱりメロディで入っているより、1つの音に対して「こういう符割りで入れたいんだ」というのとか、終わりが「おー」なのか「うー」なのか「いー」で終わりたいのか、その感じもすごく伝わりやすかったから。多分、「最初にこういうリズムの音が乗ってくるといいんだろうな」と思っている感じに近いものが書けたと思います。

――今回はアルバムの制作に入る前に、中田さんとの打ち合わせはありましたか?

MEG:今まではあまりやったことが無かったんですけど、今回はあったんですよ(笑)。アルバム2枚終わって、私も「何か違うことがしたいな」と模索していたし。SUMMER SONICでの出会いでhadouken!との共作もあったり、その間Q;IndiviさんとかTEIさんとも制作したし、宇川さんとiLLさんとか色々なコラボをやっていたりして、しばらく彼とは一緒に制作をしていなかったし。クラブとかで会ってもプライベートモードの時に仕事の話はしないので、結局ちゃんと話す機会が無かったから。

「次のアルバムを作ります、と決まっても今のままじゃ向かえないな」というのが私の中にあって、「次にどういうものを作ろうとしているのか?」という確認は必要だなと思っていて。それを沖縄にイベントで一緒に行った時に、ゆっくり話せたんですけど、「こういう風に考えてたらいいな」と思っていた方向が重なったのと、彼の中での新しいプランも面白そうだったので、「じゃあ、それやってみようよ」ってことで。