株式会社ニワンゴ代表取締役社長 杉本誠司氏
日本最大の動画コミュニティサービス『ニコニコ動画』について探りを入れるため3月某日、トレビアンニュース記者は株式会社ドワンゴにお邪魔した。
その日インタビューに応じていただいたのは株式会社ニワンゴ代表取締役社長 杉本誠司氏、運営長 中野真氏、メガネ奥井晶久氏のお三方となる。
ニコニコ動画』についてざっくばらんに聞いてきたので今まで『ニコニコ動画』が興味無かった人もこれを読んでどっぷり浸かってみてほしい

■成長できた要因
記者 ニコニコ動画がここまで成長できた要因はズバリ?
中野真氏(以下、中野) ほかに無いサービスだったからですかね。
記者 動画サービスとしてではなくその内容自体が?
杉本誠司氏(以下、杉本) 我々は“動画コミュニティサービス”と称していますので。
中野 単純に動画を見せるだけでしたら様々な動画サイトがあるわけじゃないですか。ただああいう形でコメントを出しているサービスはほかには無かったので、そう考えると『ニコニコ動画』の類似サービスって無かったんですよ。それもあってひとり勝ちみたいになっちゃいました。ただ“勝っている”という表現が正しいのかわからないですけど。

■切っ掛けは?
記者 では何故そのような『ニコニコ動画』を作ろうと思ったのでしょうか。
中野 もともと、『パケラジ』っていう携帯向け動画ストリーミングサービスをやっていたんですよ。そのサービスは本当に動画を見せるだけっていうもの。感覚としてはテレビやラジオに近いですね。でもそれだと一方的に送りつけるだけなので、ユーザーがそれを見てどういう風に反応しているのかもわからないですし、ネットの特性である双方向性も活かせていない。もっとこう同じ物を見ている人同士が臨場感を分かち合えるっていうそういうサービスにした方が良いんじゃないかなと思って。元々うちの会社ってネットワークゲームで集まった人たちが作ったような会社でもあり、会社の仕事の内容もネットワークゲームのサーバーを作ったりだったんですよ。常にコミュニケーションのことを考えてきたのでただ動画を流すだけだとつまらないよねってことで、生まれたのが『ニコニコ動画』なんです。
ネット上でライブを観ているような臨場感に近いですね。最初はお茶の間でみんなでワイワイとテレビに対して突っ込んでるっていうイメージだったんですよ。そのうち“弾幕”や“コメント職人”という概念が出てきたんです。僕らが言わなくても世間に認知されたなって。
記者 まさにユーザーが勝手に遊んでくれるという。
中野 コメントで遊ぶっていうのは僕らが考えたのではなく、あれは本当にユーザーが生み出したものなんです。驚いてます正直。

■他人に迷惑をかけるものはだめ
記者 『ニコニコ動画』の運営ポリシーってあるのでしょうか? エロは駄目って決まっていますが、それ以外で「○○は駄目」みたいな。
中野 紙に書いてるわけでもなく明確に決まってる物ってないんですね。ただ僕個人的なことをいってしまうと「他人に迷惑をかけるものは駄目」と。
記者 迷惑をかけるというのは、動画の中で迷惑をかけるというのか、動画を使って迷惑をかけるのかどちらでしょうか?
中野 全てです。誰かが不幸になるサービスっていうのはあっては行けないと思うんです。
記者 折角サービス名が「ニコニコ」なのでみんなにニコニコしてほしいですね。

■何故「ニコニコ」なの?
記者 このニコニコというサービス名なんですけど、何故この名前になったんでしょうか。
杉本 なんとなくですよ(笑)。 決まったとき奥井君その場にいた?
奥井晶久氏(以下、奥井) いましたよー。ただそれを言っていいのかわからないんで。
中野 最初は別の名前がいくつか挙がっていたんです。『ニワビデオ』とかですね。あと堅いイメージだと外したときに格好悪いのでゆるーいイメージにしました。そんな流れで誰かが「ニコニコ動画」って言ったんです。みんな真剣に名前を考えるような雰囲気でもなかったし「それでいいんじゃないっすかー」って感じで決まって2006年の12月12日に『ニコニコ動画(仮)』が始まったんです。で、始まったら始まったで一気に広まったのでもう名前を変えることができなくなっちゃった。
中野 開始した当初はみんなどうやって使っていいのかわからない状態で手探りだったんですよね。映像の字幕を書き込んでるだけの人もいれば、空耳を付けてる人もいた。徐々にユーザーも進化してますし。
あの時期が一番面白かったという人もいますしね。
奥井 ミュージシャンのインディーズの頃が良かったというのと一緒。
中野 本当に新しい物に食いついてくる人しかいない時期があったんですよ。そんな時期の時はみんな何かしらチャレンジャーみたいな人ばっかりだったんですよ。
記者 たしかにあの頃は観る側も食いついてみてましたね。仕事中も観てる人大勢いました(笑)。
中野 当初に比べると、公式動画を視聴できるニコニコチャンネルやユーザー生放送などニコニコ動画の機能・サービスも多彩になり、その分様々なユーザーが増えてきて使われ方の傾向も変わってきてるのかなと。

記者 ほかの動画サイトと『ニコニコ動画』とで、コメントの有る無しでこうも変わるのが凄いと思うのですが。
杉本 それって実は不思議なことじゃないんですよ。たまたま日常がネット上に実現できたというだけで、手法としては新しいのかもしれないですけどコミュニケーションを取るという意味では新しくないかな。人間の自然な行動なので。
中野 狙い通りなのかな、という感じですね。そういう風に使ってほしくて作ったサービスなので。

■コメント機能はあえてシンプル
中野 コメントなのですが、もっとリッチにしたり上から下にとか、音を出したりとか考えてた時期もあったんですよ。でも結局やめたんですね。理由としてはあまりリッチにしすぎると、身近なサービスじゃなくなっちゃうんですよ。できるだけ多くの人がコメントできるか、コメントするという敷居をさげるのはどうしたらいいのか、それは思ったことをストレートに打ち込める仕様にしたいと思っていまのようになっています。
ちなみに『ニコニコ動画』ではコメントの流れる早さも裏で調節して、見やすくする工夫もしています。

と、『ニコニコ動画』について杉本代表、中野氏、奥井氏にお伺いしたぞ。
そのほか会社の雰囲気などについてもお聞きしたが、実は思っていたよりも普通なのだそうだ。『ニコニコ動画』というサービスから面白い会社なのだろうと思われがちだが、その辺は昨今のIT企業と同様と思えば良いだろうか。「一部上場企業があんなサービスを!?」というイメージもあるのだろう。ただ、受付のニコニコ事業部への内線番号が“2525(ニコニコ)”になっているなど遊び心はしっかりあるようだ。

ニコニコ動画』を運営する会社なので今後も遊び心は忘れないでほしいね。

参照:ニコニコ動画

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