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●肺ガンの発見率96.7%

 米国フロリダ州オーランドで開催されている米国生化学分子生物会議において、犬の嗅覚とガンの発見についての研究が発表された。

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 BioScentDx研究所による研究では、特殊な訓練を受けた犬が血液の匂いから肺ガンを発見する確率が96.7%であると報告されている。また97.5%の確率で、正常な血液を識別できたという。

 研究チームでは、コストがかからずなおかつ患者への負担が少ないガン診断のためのメソッドとして、将来の医学に有益である研究としている。

●訓練された4匹のビーグル犬

 研究チームは、クリッカートレーニングを4匹のビーグル犬に施し、サンプルとなった血液を識別させることに成功した。そのうちの3匹は、肺ガン患者の血液を識別することが可能になったが、1匹はそのレベルに到達できなかったという。

 医学誌『サイエンス・デイリー』の記事によると、犬の嗅覚は人間の1万倍にもなるため、ガンを発見するための技術が開発されれば医療分野に大きな影響を及ぼすと考えられている。また犬の嗅覚によって、ガンの早期発見ができる可能性もあると研究チームは期待している。

●マラリアの発見にも一役買う犬たち

 過去には、英国の研究でアフリカの子供たちのマラリア感染を、犬の嗅覚で探知する可能性が発表された。この研究で使用されたのは、子供たちの使用済みの靴下である。犬たちは、70%の精度でマラリアに感染した人を識別できた。

 人間の嗅覚受容体がおよそ500万個であるのに対し、犬は犬種によっては1億から2億の受容体を有しているといわれている。さらに犬の嗅覚野が脳に占める割合は、脳全体の12.5%にも及ぶ。これも、人間の1%と比較すると、犬の匂いに対する情報能力の高さは明確である。犬によって、爆発物や薬物、トリュフの発見が可能なのは、こうした能力による。

 優れた犬の嗅覚は、将来の医学の一端を担うようになるかもしれない。