ソフトバンク5Gで未来を体験! 5Gが変えるイベントや生活、災害対策がハッキリわかるお台場ラボ「5G×IoT Studio」がリニューアル

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●ソフトバンク 5Gの実証実験施設をリニューアル
ソフトバンクの「5G×IoT Studio」お台場ラボ(以下、お台場ラボ)をご存知だろうか?

お台場ラボは、東京・台場にあるソフトバンクの第5世代通信規格(5G)の実証実験施設です。このお台場ラボが、11月30日にリニューアルし、記者説明会が開催されました。

5Gは「超高速・低遅延・多接続」を可能とする次世代の通信規格として、
・ソフトバンク
・NTTドコモ
・KDDI
といった、大手移動体通信事業者(MNO)が、2020年前後を目処にサービス開始を予定している次世代通信です。

ソフトバンクでは5Gの実証実験施設として、今年5月にお台場ラボを開設しました。
今回のリニューアルでは、
・遠隔操作しているロボットの触覚を再現する「力触覚付き遠隔操作」
・NVIDIA-GRIDを用いた仮想GPU処理
・8K・360度映像の多視点切替配信
・モーションキャプチャ
などの、5Gの高速性や低遅延性を活かした展示がメインとなります。

発表会当日には施設のリニューアルを記念した動画配信も行われ、AKB48の稲垣香織さんとエレキコミックのやついいちろうさんがレポーターになり、施設を紹介しました。


5Gを活用した新技術に驚く稲垣香織さん(左)とやついいちろうさん(左)



5G技術の解説を真剣に聞き入る稲垣香織さん



5G × 力触覚付き遠隔操作
一般的な遠隔操作ロボットの場合、人の腕や指の動きをトレースするだけですが、力触覚付き遠隔操作ロボットでは、ロボットが何かを掴むと、操作している人にその感触がフィードバックされます。

遠隔操作は、人の繊細な動きを精密にトレースする必要があるため、通信による遅延は操作に失敗するリスクとなります。

担当スタッフは
「一般的に操作の遅延が20ミリ秒を超えると違和感が出る」
と解説。

5Gであれば20ミリ秒以内の操作が可能であるため、違和感なく安全に操作ができるとしています。

また遠隔操作では、対象物をはっきりと視認することが重要となります。
5Gの高速通信性を活かした高精細な映像送信技術も、ロボットの遠隔操作において大きなメリットになると言います。


アーム先端の黒いグリップを掴んで操作する



遠隔操作されるロボットアーム。サイコロを掴んでグラスへ入れるデモが行われた



●NVIDIA-GRIDによる仮想GPU処理
仮想GPUとは、オンライン上(クラウド上)にあるGPUを利用する演算技術です。

仮想GPUを利用すれば、
非力なノートPCであっても、高度な演算処理が可能になります。
ただし、この技術を利用するには大容量のデータ通信と低遅延性が必要不可欠です。
そこで5Gが役立つ、というわけです。

例えば、建設現場などでは、高度なCADデータを用いた設計図が利用されます。
仮想GPUが使えれば、
・軽くて持ち歩きやすいタブレットPCなどでも仕事ができる
・高価なハイスペックノートPCを購入する必要がなくなる
このようにコスト削減で大きな効果が期待できます。


仮想GPUならタブレットPCでも高度な3Dデータを扱える



オンラインゲームも5Gの低遅延性と大容量通信で快適に遊べる



●8K・360度映像の多視点切替配信
4Kや8Kなど、超高解像度の映像配信は、5Gの効果が一般人にも分かりやすいコンテンツです。

超高解像度の映像を配信するには、大容量のデータ通信環境が欠かせません。それはまさに5Gが最も得意とするものです。

お台場ラボのデモでは、360度映像をVRゴーゴルで視聴が可能です。
さらに映像内に表示されるアイコンを操作し、自由に映像の視点を切り替えることもできます。


:映像の世界に入っているような錯覚すら覚える360度VR映像



●モーションキャプチャ
モーションキャプチャ技術も、ロボットの遠隔操作と同じく低遅延性が要求されます。

モーションキャプチャのような、自分の動きに合わせてバーチャルキャラクターを動かす技術は、「バーチャルYouTuber」によるブームで、一般の人にも注目されるようになりました。

動きの遅延が少なければ、よりリアルな動作が可能になります。

記者会見当日に配信された番組内では、
稲垣香織さんがAKB48の楽曲に合わせて踊り、バーチャルキャラクターがダンスをするという映像が配信されました。

5Gが実際に提供開始されれば、視聴者がバーチャルライブでアイドルグループとともに踊る日も、間もなく来るかもしれません。


画面上のアバターキャラクターを実際に動かすデモ



●おでかけ5G
ソフトバンクの5Gサービスは、2020年に正式なサービス開始を予定していますが、開始当初はエリア展開が都市部に限定されることが予想されます。

しかし実際に5Gを必要としている地域には、
・建設現場
・イベント会場
なども含まれており、早期の5Gエリア化が期待されています。

そこでソフトバンクが考え出したのが
可搬タイプの基地局システム「おでかけ5G」です。

「おでかけ5G」には、アンテナと基地局設備、受信端末などがセットにされており、
・インターネットへ接続しないクローズドなトラフィック構築が可能
・安全で利便性の高い5G通信が利用可能
・ケーブルの敷設が不要で簡単にエリア構築できる
としています。


災害時など、臨時の基地局としても活躍できそうだ



受信用端末も用途に応じて複数用意


このほかにも、
・「リアルタイムぼかし処理」 配信映像上の人物の目線へ直接ぼかし処理を入れる
・「リアルタイム動線分析」 施設内の人の動線や滞留位置を視覚化する
といった、大容量のデータ送信が必要なデモも同時に行われました。

お台場ラボでは、デモンストレーションすべてで実際に5Gの電波が使われています。
担当スタッフは、
8Kの映像送信や仮想GPU処理などを同時に行っても問題がない点を挙げ、
「多接続性能の高さや容量の大きさを感じたいただけたら」
と語っています。


秋吉 健