“日本の10番”香川を豪メディア酷評 ドルトムント在籍も「欧州の高みにはもういない」

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オーストラリアとの大一番へ「良い準備をして戦いたい」

 日本代表MF香川真司(ドルトムント)は、31日のロシア・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選のオーストラリア戦で、相手メディアから「ピークは過ぎた」と酷評される屈辱を受けた。

 オーストラリアとの大一番を控えた香川は、「2カ月前から決まっていました。最終予選が始まった段階で組み合わせを見た時、この2試合がそのタイミングだと考えるところもあった。十分な準備期間がありましたし、もちろんプレッシャーがあるなかでの試合ですけど、僕らはホーム。このメンバーと一緒にどう戦うのかを確認して、個人としてもそれをクリーンにして試合に向かえればいい。経験ある選手を含め、初めての選手もいるので自信を持って試合に行けるように。そういう役割もやっていかなくてはいけない。良い準備をして戦いたい」と、試合に臨む重要性を語った。

 香川は昨季、苦しみのシーズンを過ごした。トーマス・トゥヘル前監督から全幅の信頼を手にできず、前半戦はベンチ要員だった。後半戦に本来の輝きを取り戻したが、6月7日の国際親善試合シリア戦(1-1)で左肩を脱臼した。去就問題も注目されるなか、ドルトムントと契約を延長。だが、負傷の影響で今季開幕前のキャンプで出遅れ、リーグ戦では2試合連続で途中出場となっている。

 かつて2010-11シーズンからドルトムントの連覇に貢献し、偉大なるサー・アレックス・ファーガソン監督に請われてマンチェスター・ユナイテッドに移籍した香川だが、オーストラリアからは限界論も囁かれている。

ドルトムント以上のクラブに所属する選手は…

 オーストラリアメディア「ロアー」は、「経験深い左サイドバック、ユウト・ナガトモは故障を抱えている。シンジ・カガワやケイスケ・ホンダのようなスターはかつて彼らが成し遂げたヨーロッパの高みにはもういない」と酷評している。

 本田圭佑は今夏、3年半過ごしたACミランからメキシコのパチューカに移籍し、欧州でのキャリアにひとまず別れを告げている。だが、昨季UEFAチャンピオンズリーグ8強に進出し、DFBポカールも制したドルトムントでプレーする香川にとっては屈辱だ。ドルトムント以上の強豪で現在プレーしている選手は、両チームで誰もいない。

 日本代表の10番を背負う香川は、オーストラリア相手に実力を示す必要がある。昨年10月11日の敵地決戦は、1-1のドローに終わっていた。

「相手もその時とはフォーメーションも変わっているし、逆にコンフェデを経て自信を得ている部分もあるので厳しい試合になると思う。楽な試合には絶対にならない。そのなかで個人的にはどれだけ攻撃のなかで選手との意思統一を含めてやっていけるかは特に大事にしたい。そのイメージと仲間とのコミュニケーションを含めてやれれば、あとはもうメンタル的な準備はできているので、ピッチの上で無心でやるだけだと思っています」

 2015年アジアカップ王者のオーストラリアは、6月のコンフェデレーションズカップで南米王者チリと1-1のドローを演じるなど、チームとして自信を深めている。相手メディアに突きつけられた「ピークは過ぎた」という酷評をはねのけることができるのか。平常心を貫く香川は、創造性溢れるプレーで勝利に貢献するしかない。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images