高梨沙羅、伊藤有希【写真:Getty Images】

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GP個人第2戦、高梨が体重不足「ジャンプ界を支配している日本人が初めて失格」

 女子スキージャンプ選手の高梨沙羅(クラレ)は、ノルディックスキーのグランプリジャンプ女子個人第2戦の予選(チェコ・フレンシュタート)で、スキー板の長さの規定違反で失格となった。伊藤有希(土屋ホーム)が同大会でグランプリ初優勝を飾った一方で、高梨に起きたアクシデントの衝撃は広がっている。

 ドイツのスキージャンプ専門サイト「スキースプリンゲン・ドットコム」は、「ユキ・イトウがフレンシュタートで勝利を祝う」と特集。伊藤は1回目に最長不倒の95.5メートル、2回目は93メートルを記録し、合計222.7点でグランプリ個人初優勝を果たした。

 記事では、高梨に起きたアクシデントについても言及。「本当の驚きは、ネガティブな意味でサラ・タカナシが引き起こした。過去数年間、ジャンプ界を支配している日本人はグランプリで初めて失格となったのだ。予選で違反を犯した」と報じている。

 スキージャンプでは、飛距離を伸ばすために選手たちが過剰な減量をしないように板に関する規定が設定。今回、高梨はジャンプ後の道具検査で、スキー板の長さに応じて必要な体重を満たしていなかったことが発覚し、失格となった。過去に国際大会のコンチネンタルカップでスーツの違反により1度失格になっている高梨だが、4度の個人総合優勝を誇るワールドカップやグランプリでは失格の経験がないだけに、海外メディアに与えたインパクトも大きかったようだ。

GP初優勝の伊藤を海外メディアも称賛「モラットを凌駕した」

 一方、イタリアのスキー競技専門サイト「フォンド・イタリア」は、日本人ジャンパーでくっきり分かれた“明暗”を紹介している。

「夏のグランプリで、2つの巨大な驚きが波紋を広げている。予選でサラ・タカナシが失格になった。スキーの長さの問題で失格となり、競技に参加することができなかった。一方、ユウキ・イトウは大きな喝采を受けた。素晴らしいフォームを見せた(2位の)ルシール・モラットを凌駕した」

 高梨が見舞われた事態を伝えながら、フランスの実力者モラットを破りグランプリ初優勝を手にした伊藤を高く評価している。

 想定外の“落とし穴”に陥った「女王サラ」は、平昌五輪での金メダル獲得に向けて軌道修正できるだろうか。