西川周作(撮影:佐野美樹/PICSPORT)

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9カ月ぶりに川島永嗣が日本代表に戻ってきた。合流初日こそ別メニューだったものの、その後は一緒にトレーニングを続けている。

川島の所属クラブが決まらず、代表に招集されなかったとき、日本のゴール前を守ってきたのは西川周作だった。単に守ってきただけではない。ロシアワールドカップ・アジア2次予選では、ここまで1点も与えなかった。

川島が戻ってきただけではない。東口順昭もアフガニスタン戦でチャンスを与えられた。学生時代から代表に呼ばれていた林彰洋も控えている。

「やっとつかんだこの座は絶対誰にも渡さない」と日頃の練習からライバル心を剥き出しにして他の選手を威嚇する――ということは、西川にはない。「正直、自分のことで一杯いっぱいですかね」と西川は言う。

「でも、目の前にお手本になる選手がいるので、キャッチングだったり、どういう構えをしている、どういうプレジャンプをしている、準備をしている、そういうところを細かく見ています」

シリア戦では、逆に西川がチームメイトから細かく見られることになった。前半こそ相手の脅威にさらされなかったが、後半は一転する。65分には長谷部誠がボールを奪われ、シュートを打たれた。83分には連続攻撃に遭い、86分、88分とフリーでシュートを打たれてしまった。

いずれも西川がはじき事なきを得たが、どれも相手の得点が生まれてもおかしくない場面だった。

「両サイドが高い位置に上がっていたので、後ろに来たら自分が出ようと思ってましたし、GKがカバーできるポジションだと思っています。試合がこのままでは終わらないだろうとは感じてましたし、セカンドボールが取れない時間があったので、そういうところでピンチが訪れたと思います。ですが慌てることなく、気持ちで、身体に当ててやろうと思っていました。結果無失点で終われたことはGKとしてはうれしいです」

味方に無失点は自分のおかげだと言ってもいいような好守だったはずだ。

「無失点はみんなの頑張りもあってなんで。ただドフリーでのシュート、ありましたね(笑)。でも結果としてチームで無失点で終われたというのはうれしかったですし、これで1点でも入れられていたら終わりかたも微妙な雰囲気になったと思いますので、オカ(岡崎慎司)の100試合もみんなでお祝いすることができてよかったです」

それでも今後に向けて大きなアピールになったことは間違いないだろう。

今回は川島が負傷中と言うことで、すんなり西川の出場となったはずだ。そのチャンスを活かして西川は、「出場6試合連続無失点」で、川口能活と松永成立が持っていた記録を塗り替えた。ただし、記録は未来の保証ではない。西川はそれをわかっている。だから西川は最後にこう言った。

「とにかく自分はもうラストチャンスだと思って今日は挑んでました」

【日本蹴球合同会社/森雅史】

西川周作

(撮影:佐野美樹/PICSPORT)


▼ 宇佐美貴史

(撮影:佐野美樹/PICSPORT)


▼ 岡崎慎司

(撮影:佐野美樹/PICSPORT)


▼ 金崎夢生

(撮影:佐野美樹/PICSPORT)


▼ 香川真司

(撮影:佐野美樹/PICSPORT)


▼ 山口蛍

(撮影:佐野美樹/PICSPORT)


▼ 森重真人

(撮影:佐野美樹/PICSPORT)


▼ 長谷部誠

(撮影:佐野美樹/PICSPORT)


▼ 本田圭佑

(撮影:佐野美樹/PICSPORT)