中国メディアの現代金報によると、浙江省・慈溪市の、慈溪市人民法院(裁判所)はこのほど、若い女性を誘拐した男に対して、犯行は未遂」だったとする判決を言い渡した。男は20歳で、もう1人の仲間と金銭目的で女性を誘拐したが解放することにした。「夜道に若い女性を1人置き去りにしたので危ない」と、女性を元の場所まで連れて戻ったという。(イメージ写真提供:(C)Panagiotis Doukas/123RF.COM)

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 中国メディアの現代金報によると、浙江省・慈溪市の、慈溪市人民法院(裁判所)はこのほど、若い女性を誘拐した男に対して、犯行は未遂」だったとする判決を言い渡した。男は20歳で、もう1人の仲間と金銭目的で女性を誘拐したが、女性が金を持っていないので解放することにした。犯行当時は日が暮れており、「夜道に若い女性を1人置き去りにしたので危ない」と、女性を元の場所まで連れて戻ったという。

 事件発生は2015年8月27日の夜だった。男2人は、寧波(ニンポー)市杭州湾新区で、後部が大きな荷台になったオートバイを1台借りて、乗り回して遊んでいた。近くを若い女性を歩いていたので、急に「携帯電話を盗んでやろう」と思い立ったという。

 2人で女性をはさんで「携帯をよこせ」と言ったが、女性は頑として手放さなかった。そこで、1人が持っていた果物ナイフを突きつけて、女性を荷台に乗せて連れ去った。ナイフを突きつけられていたので、女性はおとなしくしていたという。

 男らは女性を運ぶ途中「オレたちが盗みをするのは初めてだ。金さえ渡せば傷つけたり命を取ったりはしない」などと、言っていたという。

 人家から離れた畑まで来て男らはオートバイを停め、改めて女性に金銭を要求した。女性は持っていないと言い続けた。最後に、「どうしても欲しいならば、私の友達のところまで連れて行けば、お金を借りられる」と言い出した。

 男2人も「どうやら、本当に持っていないらしい」と思えてきた。女性は携帯電話について、オートバイに乗せられた時に落としたらしいと言った。確かに持っていなかった。

 男2人は相談して、「盗むつもりで連れて来たのに、何も盗めそうにない。釈放しよう」ということにした。しかし、「若い女1人を、こんな暗い夜道に置き去りにしたのでは危ない」と思えてきた。そこで、女性を元の場所まで送り届けることにした。

 女性を降ろした後、2人は女性と一緒に、近くに携帯電話が落ちていないか、しばらく探したという。

 女性は翌日になり、警察に足を運んで事件の顛末を話した。警察が捜査した結果、2人は数日後に身柄を拘束されたという。

 慈溪市人民法院はこのほど、男1人に対して判決を言い渡した。まず、自らが不法に占有する目的で、脅迫によって他人の財物を奪い取ろうとする行為は、強盗罪に当たると指摘。ただし、被告は「自らの意志以外の理由で犯罪行為を最後までしなかった」として「強盗未遂罪」の適用が可能として、懲役2年、罰金2000元(約3万5000円)の刑とした。

 もうひとりの被告についての判決はまだという。

 女性によると、携帯電話はその後、見つかった。また、誘拐された時にはネックレスをつけていたが、男らはネックレスを盗むことは思いつかなかったようだという。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:(C)Panagiotis Doukas/123RF.COM)