業界ナンバーワンの快活CLUBは女性専用店をオープン予定

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 時間消費型施設の複合カフェといえば、主に若者たちの「暇つぶし空間」として利用されるマンガ喫茶やネットカフェが代表格。そこで寝泊りを続ける“ネットカフェ難民”なる言葉も流行ったが、いま、それらの施設は従来のイメージを覆すほどの進化を遂げている。

 市場調査会社の富士経済によると、複合カフェの市場規模は901億円(2014年)で、主要チェーン合計の店舗数は1390店に及ぶ。

〈各社とも参入当時は24時間営業、フリードリンク、マンガやインターネットの閲覧といった限られたサービスのみを提供していたが、次第にビリヤード、ダーツ、卓球などの多様なコンテンツの提供も行うようになっていった〉(富士経済の分析コメント)

 しかし、全体の市場は縮小傾向にある。同調査でも2009年以降の売上高は前年割れを続けている状況で、今後もマイナスで推移していくと予測する。その理由として、競合激化で需要が飽和状態になっていることが挙げられているが、利用者からはこんな声も聞こえてくる。

「昔は休日ともなるとネットカフェに通い、PCでゲームをしたり溜まった仕事を片付けたりしていましたが、いまはスマホやタブレットがあるので、わざわざ行こうという気が起こらなくなりました。

 もともと、ネットカフェは薄暗く狭い空間のために衛生面も心配でしたし、若いカップルのイチャイチャ声やオジサンのイビキがうるさかったりして、あまり良いイメージはありませんでした」(男性会社員・30代)

 そこで各社が注力しているキーワードが、快適性の向上とターゲット層の拡大である。

 全国に約260店を出店する最大手の『快活CLUB』(紳士服のAOKIインターナショナルの子会社ヴァリックが運営)は、「癒し」をテーマにバリの高級リゾートホテルをイメージ。ゆったりした店づくりが好評で売上高を伸ばし続けている。

 また、同チェーンは温冷エステ機能を搭載したスチーマーやマッサージクッション、ヘアアイロンなどを揃えた「女性専用エリア」の導入店舗を増やしてきた。今年12月には東京・秋葉原に女性専用店までオープンさせる予定だ。

 業界2位で約180店を展開する『スペースクリエイト自遊空間』(ランシステム)は、オフィス家具メーカーのプラスとコラボし、デスクワークに最適なシート席を設けたり、周囲に気を遣うことなく電話ができる個室を導入したりするなど、利用目的に合わせた店づくりを進めている。

 さらに、自遊空間では中学生以下の子供は席料金が無料になる「家族割」や、60歳以上の平日利用が安くなる「シニア割」も実施。ファミリー層やシニア層の呼び込みで差別化を図る構えだ。

「これまでのように可処分所得の低い学生やフリーターばかり相手にしていたら生き残れない。遊びの設備やリラクゼーション機器を増やして女性、ファミリー、シニアの新規顧客をどれだけ囲い込めるかが勝負になってくる。

 今後はホテルの客室数逼迫で、訪日外国人の利用者も多く見込まれる。多言語対応やさらなる安全性の確保などが重要課題になってくるだろう」(大手ネットカフェ幹部)

 今年、都内では18歳未満は利用不可でフード・アルコールメニューなども充実させたネットカフェ『Hailey’5 Caf?(ハイリーファイブカフェ)』(ベンチャーバンク)や、“泊まれる本屋”をコンセプトにした宿泊施設『BOOK AND BED TOKYO』(アールストア)など、新コンセプトの店も続々と登場。競争は一層熾烈になっている。

 もはや複合カフェの域を超え、一大アミューズメント施設の様相を呈するネットカフェ。果たして思惑通りに幅広い層からお金だけでなく、“可処分時間”を費やしてもらうことができるか。