「医者に質問:患者が勝手に自己診断したことで、特にひどかった間違いは何?」信じられないエピソードいろいろ
病気の原因や症状を簡単にネットで調べられる時代になりましたが、その一方で、素人による診断ミスも増えました。
海外掲示板に、
「医者に質問です。今までにひどいミスだった患者による自己診断はどんなものでしたか? そして実際の病気は何でしたか?」という質問がありました。
興味深い回答をご紹介します。
●足のつま先に壊疽(えそ)がある患者がやってきた。ところが抗生物質で治るので病院にはもう来なくて大丈夫だと主張する。自分の体のことは自分が一番知ってると言い、注文してきた抗生物質と一緒に帰っていった。
何か変化があったらすぐに戻るように言ったら、次の日に指が取れて戻ってきた。
↑体内クリーニングのために家庭にあるものを飲むというなら、ウォッカにしなさい。Byロシア人
●少し脱線するが、以前ちょっと笑えたことがあるので共有する。インターン時代に貧血症(ヘマクリット値が16以下)で運ばれてきて、輸血が必要な女性患者がいた。
彼女は生まれつき代謝に問題があり、最初に診た医師は彼女にビタミンB12を摂取すべきだと診断した。(ヘモグロビンを作るのにB12が必要)
B12が切れたときに、彼女は一般の薬局に行き、ビタミンB6の錠剤を買い、それを1日に2錠飲むことにした。そして私に「B12は、B6x2といっしょ」だと説明してくれた。
いっしょじゃない!
●「肛門の嚢胞(のうほう)」という患者の自己診断。単に患部を触り過ぎで荒れていただけだった。
●医学学校に在籍していたときにあったこと。ある男性の経歴について質問していた。過去に心臓発作のような問題がなかったかを尋ねた。
彼「ありますよ。20回くらい発作を起こしました」
私「20回も心臓発作を起こしたのですか……?」
彼「そうです」
「どの医師にかかってます? 心臓の専門医はついていますか?」
彼「いえ、医者にかかったことはありません。妻がマッサージ療法士をしているので、心臓発作があるたびに指圧マッサージをしてくれて、それで止まるのです。」
私「……ええと……なるほど。それで心臓発作を起こしたときは、どんな感じなのですか?」
彼「あまり良く覚えてないのです。妻が言うには床に倒れこみ、腕や足ががたがた震えだすと言います。だいたい1分ほどの彼女のマッサージで止まるらしいです。自分は疲れて混乱してしまい、あまりよく覚えてないのです。そのあと長い昼寝をします」
実際は、引きつけを起こしていて、それを心臓発作と考えていたようだ。通常は数分で止まるので、彼の妻はマッサージが治しているのだと思っていた。
●患者が下痢をしていた。かなり黄色く液化していた。おかしいと思ったその患者は体内の腺が交差し、尿がお尻から出ていると思っていた。
●家族ではなく、本人が「心臓発作を起こしている!」と緊急電話をしてきた。
●救急に男性の患者が来て、胸のしこりを訴えていた。しこりは触ると痛いので乳がんで死ぬと思い込んでいた。
いろいろと質問をしたあとで、触診をするのでシャツを脱ぐように伝えた。だいたい2秒くらいで、患者に「このしこりはあなたの肋骨ですね」と伝えた。
彼は私を愚かな子だと言い、(そのとき自分はまだ学生だったので)私の付き添い医師に、肋骨ならなぜ痛むのかを尋ねた。医師は「もうそのあたりを何日も触ったりこすったりしてるからです。自分で傷つけているのです」と伝えていた。
●看護婦をしています。腹痛を訴える患者で、その理由が腕の手術のせいだと言う女性がいた。腕を縫合したときの医療用ホッチキス針が、お腹まで達したと言っていた。
●ヒザから下の両足切断をした患者が、そうなったのは遺伝のせいだと頑なに言い張っていた。実際は糖尿病をコントロールできず、ひどい量の糖分を摂取し続けていた上に、インシュリンの注入を拒否していた。治療を拒否したことが両足の傷を悪化させていた。
●獣医だが、ノミアレルギーで皮膚炎を患っている犬が連れられてきた。ノミの唾液に反応して極端にかゆくなる。その犬はおしりやしっぽ周辺がアレルギーでやられてきて、自分で毛がはげるほど噛み切ってしまった。
かなりのノミを取り除いてやって、それを飼い主に見せ、「治療できます」と説明して診断結果を伝えた。
すると飼い主は僕を愚かだと言い、この犬は留守中に侵入者がお尻をいきなり剃ったことによる、精神的トラブルを抱えているんだと言ってきた。
もうそのことについては何も言わず同意しておいて、治る可能性があるから、とりあえずノミを除去する治療に賛成してもらった。そして犬はよくなった。
●子供専門の療法士をしている。最悪の自己診断ミスは、2週間の新生児を連れてきた家族で、
1)泣くから不安症である。
2)目が合わないから自閉症である。
3)赤ちゃんが満足そうにしたあと怒るので、躁うつ病である。
何時間も使って子供の成長について説明し、病気の本当の症状や子供にどう発症するかを教え、本やパンフレットも支給したが、私の同僚と精神科医にも見てほしいと主張してきた。
そしてさらに2人の医師に見てもらったあと、まだ納得がいかずに精神病の薬を医師に頼んでいた。
●自分は逆に、お気に入りの正しい患者による診断を紹介する。
医学部時代の女性医が、患者に(自己診断を)尋ねるエピソードとして教えてくれた。
かなり高齢の老人が足の痛みを訴えていた。彼は糖尿病だった。女性医はだいたいの診断予測が心にあったが、ひと通りのやりとりのあと、最後に「この痛みは何のせいだと思っていますか?」と尋ねた。
すると彼は「靴の中にピンが入ってると思う」と答えた。実際に靴の中にピンが入っていたが、自分で拾って取ることができなかったらしい。女性医は靴から取り除いてあげて、患者は帰っていった。
●生検により浸潤性の乳管ガンと診断された患者がいて、手術がその2週間後に予定された。
ところが患者は別の医療設備へ行き、乳ガン検査をして放射線医師がそこで良性と説明した。患者は最初の医師にメールを出した。「祈りが届きました。添付した記録を見てください、もう乳ガンはないので○○医師に手術は必要はないとお伝えください」
大きなトラブルになりそうなメールである。乳房X線の画像では全ては出ない。
●救急に不治の皮膚ガンだと思ってパニックになっている患者がやってきた。
足にいぼが出来ているだけだった。
医師が100%正しいわけではありませんが、安易な素人判断や科学的根拠が示されてない療法に頼るのは、リスクが飛躍的に高まるようです。
まずは医者に診てもらい、それで疑問があるときは、別の医師による診断(セカンドオピニオン)を希望するのが安心かと思います。
Doctors of Reddit, what was the MOST incorrect self-diagnosis you've encountered in your practice?
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