歴史には謎がつきもの。史料や証言から「その時なにがあったのか」に思いを巡らせるのが歴史の醍醐味の一つだが、古代となると史料は限られ、想像は難しい。江戸時代から論争になっている「邪馬台国の場所」はその最たるもの。日本最古の書物とされる「古事記」でさえ書かれたのは8世紀であり、邪馬台国があったとされる3世紀のことを書き記した書物は日本にはない。『魏志倭人伝と大和朝廷の成立』(藤田洋一著、幻冬舎刊)は当