中国メディアの南方企業新聞網は3月28日、春節期間中に日本で洗浄便座を購入する中国人が数多く見られたことを受け、中国では「洗浄便座なら日本で購入したほうが良い」といった認識が広まったと伝える一方、3月26日に中国で開催された家電フォーラムで洗浄便座が1つのテーマに取り上げられたことを紹介、「中国国産の洗浄便座も日本と同等の機能を実現できる」との声があがったと紹介した。

 記事は、中国国内で洗浄便座の生産が始まったのは1990年代だったと伝え、現在では20社以上のメーカーが洗浄便座を生産していると紹介。さらに、全国家用電器標準化技術委員会秘書長の馬紱軍氏の発言として「中国の洗浄便座の生産はすでに20年以上の歴史を持つが、洗浄便座はなかなか難しい商品」と指摘。

 その理由として、洗浄便座は水を使用する電気製品であるうえ、人体に密着する機器であることから「一定期間が経過した後も使用者の安全性を保障する必要が有るため」と論じた。

 さらに、馬紱軍氏が「中国国内の洗浄便座の普及率は決して高くないものの、中国の洗浄便座の製品として要求される規格の水準は世界的に見ても低くはない」と指摘したことを紹介し、安全規格で見た場合、中国は日本と同様にIEC規格(国際電気標準会議 :International Electrotechnical Commission。電気通信分野をのぞく電気・電子分野について、国際的な標準化)を採用していると主張したことを伝えた。

 また記事は、中国の洗浄便座メーカーの副総裁の話として、洗浄や抗菌、安全性など複数の項目で中国の製品と日本の製品を比較した場合において、「中国の製品のほうが性能が良い」と主張し、さらに日本の製品に比べて中国での環境で使用するうえで適していると主張した。

 一方で記事は、中国人が日本など国外で洗浄便座を購入している理由について、中国家用電器研究院測試技術研究所の鲁建国所長の話として「消費者は中国国外のほうが製品の品質要求が高いと認識しているためではないか」と論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)